きょうはこんな日でした ごまめのはぎしり
chibori park
ローマ・チボリ公園 '99夏




1999.10.8(金)

 
茨城県に出張してきました。茨城に行くと言うと、職場のみんなはエッ?と問い返してきました。なかには、やめたほうがいいんじゃないの、と忠告してくれる人まで出てくる始末です。東海村方面じゃなくて、もっと内陸の方と応えて納得してもらいました。
 神奈川の西のはずれにいてもこの有様ですから、茨城の人は大変だったろうなと思います。私が訪問した会社も、事故当時は対応に追われたようです。同じ県内であるだけに、相当気を使ったそうです。
 まったく、とんでもない会社があったもので、安全より効率を優先するなど言語道断です。事業許可取り消しも当然でしょう。降りかえって、私の関連する仕事では違法はすまいと肝に銘じた次第です。


詩誌『饗宴』21号
   kyoen 21
  札幌市豊平区 林檎屋・瀬戸正昭氏 発行

 今号の特集は「没後30年 伊藤整」です。いい企画で、特に佐藤恵一氏の「伊藤整聖地巡礼イン小樽」が素晴らしい。現地を歩いて取材なさったようで、写真も説得力がありました。地元の人ならではの微に入り細に入りの文章で、惹き込まれました。

  駆け足で整の足跡を追ってきたが、それに
 つけても塩谷から余市にかけての一帯は、史
 跡の宝庫だと感じる。(中略)
  ただ、問題はよほどの予備知識をもってい
 かなければ、目の前にあるものがどんな意味
 を持つのかきわめてわかりにくいことである。
 (後略)    (「エピローグ」部分)

 この文章には佐藤さんの真摯な姿勢が表れていると思います。この「予備知識」というのは読者に対しても要求していますが、なによりご自身に向けられたものと受けとめられます。史実、事実を追う者の姿勢を教わりました。


羽切美代子氏詩集『愛しの三文猫』
   itoshi no sanmon neko
  1999.9.30 待望社刊 2000円

 猫に関するおもしろい詩集です。詩篇のすべてのタイトルが「ああ猫は」で始まり、そこも意表をついています。

 ああ 猫は齢を重ねる

拠りどころを失っても
いよいよ楽しい毎日
偉厳のある本来の姿でくらす

残念ながら暗い話も
小耳にはさむが……

本来の目的は
生を楽しむこと
いよいよ 楽しくなる毎日

はじけるような声で
賞賛の声で
呼びかける

好奇心のまま
身体を丸め
勝負に出る

 猫について書かれているわけですが、それだけではないと思います。試しに「猫」を「私」に置き換えて読んでもました。そうするとスンナリ入ってきました。猫に変身し、猫を擬人化しているのではないかと思います。私の読み方がおかしいのかもしれませんが…。
 「茶トラ五十五歳マメに」と詩集の副題にありますし、表紙の写真も愛猫のようですから、実際にお飼いになっている猫のことでしょう。「三文猫」を「愛し」む作者の気持ちは判るように思います。しかしそれにしても猫って、なんて我儘なヤツなんでしょうかね。



 
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