きょうはこんな日でした 【ごまめのはぎしり】
1999.2.3(水)
風邪をひいてしまったので、今日は大事をとって会社はお休み。不況の影響で、私の担当している仕事も暇になったから、休むなら今のうちという魂胆もあります。眠くなったら寝て、起きたくなったら起きてパソコンの前に座るという、あと10年後に控えた定年後の生活、の予行演習みたいな一日でした。
本当は夜7時から新高輪プリンスホテルでワインの会があったんですけど、これもキャンセル。日本ペンクラブの会員でもある藤本義一さの主宰で、今回はワインの会会員500名が一堂に会するというもの。行きたかったけど、行ったら絶対にバテるのが眼に見えています。藤本さん、ごめんなさい。留守電に欠席の旨、入れておきましたからね。
この藤本さんは、作家の藤本義一さんとまったくの同姓同名。間違って原稿料が振り込まれることもあるそうです。
○詩誌『BOHEMIAN』117号
神奈川県川崎市 池田時雄氏 発行
いつもは主宰者の池田時雄さんから贈っていただいてるんでいが、今回は珍しく中村洋子さんからいただきました。追っ付け池田さんからも来るのかな、と心配しています。自腹を切って出している雑誌ですから、無駄のないようにお願いしたいものです。余計なこと、ですが・・・。
「時の睡り」 山田野理夫氏
なかに炉の跡があるでしょう 老詩人は首
をかしげていった だれもいない留守なのだ
ろう (全一連 部分)
作者が老詩人と散歩をして、公園にある竪穴住居を覗いたときの作品です。恐れ入った、としか言いようがありません。作者はこの老詩人について「留守」という優れた詩句がある、と書いていますが、私は不勉強で、知りません。一度その作品も見たいものだと思います。
「ある誘い」 中村洋子氏
本もひらけない朝の電車
いくつかの打合せ 問題点の検討
今日の仕事は流れる星見からはじめたい
あとすこし起きていよう (第3連)
昨年の獅子座流星群に題材をとった作品です。一日の始まりを星見からとする、いいじゃありませんか。そんな生活もたまにはいいものです。私は天邪鬼で、他人様が見ると言ったときは見ないようにしています。流星群も当然見ませんでした。
どう、良かった? 良かったんですか! 残念。
「私の伊豆散歩・伊豆の天狗伝説」 池田時雄氏
「PARABOLA ANTENNA」と題された、このエッセイのコーナーは、この雑誌の中でも好きなところです。他に中村洋子さんの「春山行夫覚
書」などもあります。
天狗伝説は日本各地にありますが、伊豆には意外に少ないとのこと。僅かに残る天狗伝説を検証すると、先住民族のアタ族が製鉄技術に優れたツチ族に山の上に追い上げられ、天狗となったのではないか、とのこと。アタ族、ツチ族というのはどこかで聞いた記憶があります。地元の歴史も調べてみるとおもしろそうですね。
○エッセイ『続・遠いお江戸の昔から』原田道子氏
1998.12.25 おりおん企画 800円
四国新聞に「首都圏リポート」として連載したエッセイです。1997.12に山脈文庫から出版した『遠いお江戸の昔から』の続編です。前回もそうでしたが、首都圏に住む者が故郷の新聞に首都圏リポートを送るという観点で書かれていますので、それだけでもユニークな視点です。私も神奈川という一応、首都圏に住んでいますが、北海道、福島県、静岡県と渡り歩った経験がありますから、地方がどういう眼で東京を見ているかが判ります。
なによりこの本を読んで感激したのは、東京に進出した四国の企業が、東京支店、としていることです。ちょっと売れてくると東京を本店として創業地を支店とするんじゃないかと思いますが、きちんと東京支店としているところに律儀さを感じます。私の会社は神奈川の一地方に本社工場がありますが、別に東京本社もあります。会社創設の経緯が違いますから、一概に論ずることはできませんが、讃岐人の心意気のようなものを感じました。
永禄建設、穴吹工務店、マルキン醤油など知られた企業でも東京支社、東京支店なんですね。驚いたことに東京女子体育大学も讃岐人が作った学校なんです。まあ、東京は田舎の集まりですから、驚くことはないのかもしれませんが。
原田道子さんは詩人で、非常に難解な詩を書く方です。ご本人は決して難解ではない、とおっしゃるんですが、こちらの頭の悪さもあって難解です(^^; でもここに書かれた文章は、当然ですが、平明です。この文章を手がかりに原田道子詩を理解できそうです。いつになるか判りませんが、定年になったら時間がとれるので、じっくりやってみようかな、と考えています。
今日は二回も定年の話が出てしまいましたが、あと10年、楽しみなんです(^^; まあ、それまで生かさせてもらえれば、ですが・・・。
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