きょうはこんな日でした 【ごまめのはぎしり】
1999.2.11(木)
きのうから奈良に行っていて、さきほど帰ってきました。中村光行さんは奈良にお住まいになっている詩人で、「鬼の会」というおもしろい会を主宰なさっています。鬼は善である、という一風変った見方をする会ですが、それはちょっと置いておきます。奈良は三輪に今西酒造という造り酒屋さんがありまして、そこで「鬼ごのみ」という銘酒を出しているんです。そのラベルが中村光行さんの書でして、そんなこんなで今西酒造さんに行ってきました。
三輪は雪で、雪の三輪神社を参拝して、蔵元に行って酒呑んで、いいご機嫌です。私に日本酒のうまさを教えてくれたのは「鬼ごのみ」です。「鬼ごろし」ではありませんので念のため。なかなか出回らない銘柄ですので、お呑みになった方は少ないと思いますが、機会があったら是非お試しください。お薦めです。
○個人誌『粋青』第15号
大阪府岸和田市 後山光行氏 発行
私の20代からの知り合い、後山光行さんが発行している個人誌です。限定30部という全くの手作りで、旅先でお描きになった絵もカラーページで挿入されています。
いちにちが過ぎ去るのが
とても早くなった今
夢が私の生活と同じ速さで
しぼんでいく
たくさんのしぼんだ固まりが
身体のいたるところにぶらさがっていて
夢を見る隙間さえも無くなっている (「夢の話」最終連)
後山さんは仕事がら外国を飛びまわっています。一年の半分は外国のホテルで暮らしているんじゃないか、と思うくらいです。そんな中で詩を書いて絵を描いて、個人誌を発行なさっているんですから、超人的と言えます。「私の生活と同じ速さで」というフレーズに後山さんの生活を垣間見る思いです。
気になることは「夢を見る隙間さえ無くなっている」という最終のフレーズです。追い詰められている、という感じはしませんが、彼も私もほぼ年齢が一緒なので、会社の中でどういう立場で働いているか理解できます。この作品は別に仕事に結びつける必然性はないんですが、それでも自分で自分を追い込んでいやしまいか、と気になってしまいます。
まあ、個人誌をかれこれ4年も続けてやっているんですから、そのへんのバランスのとり方は心得ていると思いますが、お互い、あと10年もすれば会社を離れて悠悠自適の身になるはずですから、それまでがんばりましょうや。
ずいぶん作品とかけ離れたことになってしまいました。アトさん、たまにはお合いして呑みたいものですね。
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