きょうはこんな日でした 【ごまめのはぎしり】

1999.2.18(木)

 
昨日は新延拳さんの詩集『百年の昼寝』の出版記念会で、銀座7丁目の「ライオン」に行ってきました。田中眞由美さんとふたりで司会をやるように仰せつかり、無事、役目を終ることができました。
 長谷川龍生さんをはじめ著名な詩人が集まり、総勢100名を超えていましたので、ちょっと緊張しましたが、なあに、ビールをひっかけたらとたんに緊張も解けました。酒呑みの特権だろうと思います。
 西岡英明さんの娘さんのピアノ演奏や琴天音さんの独唱、果ては「ライオン」のチロル風の女の子が歌ってくれたりで、いつもの出版記念会とはちょっと味の違う会になったんではないかと思います。総大将西岡光秋さんの演出の賜物だと感じました。

 別のお話し。さきほどメールを覗いたら、日本文藝家協会からメールが来ていました。ホームページをリンクさせてくれ、とお願いしたことへの返事。OKだって! 良かった。これで会員になっているペンクラブと文藝家協会への待望のリンクが果たせました。だからなんだ、と言われそうですが、どちらのホームページへも行ってもらいたいのが本音。意外と知られてないようなんです。文藝家協会は検索エンジンで引っかかるけれど、ペンは難しいようです。ルートをたくさん確保しておきたいと思っています。



秦恒平氏著
『湖の本』40 迷走三部作 上
    umi no hon40
  1998.12.10 「湖(うみ)の本」版元 定価1900円

 日本ペンクラブ理事の作家・秦恒平さんからいただいた本です。秦さんはペンクラブの電子メディア対応研究会の座長でもあり、そこに私も呼ばれて以来のおつき合いであることは、以前書いた通りです。太宰治賞もおとりになっている作家です。

 「亀裂」「凍結」「迷走」の三部作構成になっていますが、お世辞を抜きにしてそのどれもが面白い。時は1970年代。私の青春真っ盛りの頃にお書きになった作品の、いわば復刻版のようなものですが、時代の違いを考えされられます。いやいや、今の時代からあの時代に書かれたものを見ると、なぜ今、1990年代のバブルは起きたかがよく判る、と言った方が正確でしょう。
 医学出版社の中間管理職という設定に主人公はなっていますが、ほとんど実話のようで、私小説と呼んで間違いないと思います。私はこの一年ほどの秦さんしか知りませんが、合理的、論理的なお考えの基礎がこの本からも読み取れます。主人公の設定事態も編集者ですから、なかなかお目にかかれない小説でしょう。文体ももちろんきちんとしていて、一時小説家を目指した私としては、無性に文章を書きたくなる誘惑を覚えました。

 本の内容をあまり詳しく書くと、市販されている本ですから差し障りがあります。お求めになりたい方は、私のホームページに秦さんのホームページがリンクされていますので、お入りになって直接お求めください。特に私のような団塊の世代の人たちには、あの時代に自分たちは何をやったか、それが今の時代にどうつながっているのかを考える、絶好の小説だと思います。



     
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