きょうはこんな日でした 【ごまめのはぎしり】
1999.2.19(金)
小学校PTA役員の任期が終ろうとしています。4月中旬までには全部終了の予定です。広報委員ということで広報誌を担当していました。A3版の簡単なお知らせ版を3回発行し、いよいよ最後のB4版6頁のものを作ってオシマイです。
昨日ですべての割り付けを終る予定でした。ところが原稿がふたり分届かない!
それがふたりとも先生。親の方は夜中に私の自宅まで届けてくれたりしているのに、先生の分はやっと今日になって届いた次第です。ちょっとムッとしています。また今夜から明日にかけて作業の続行になっちゃいました。
まあ、それはそれとして、普段の同人誌作りの技能がこんなところで生かせて、満足しています。地域や学校に還元できるのもうれしいし、同人誌とは違った視点で物事を見られるのはモウケモノでした。
それにしても親ごさんたちの熱心さには頭が下がりました。私を含めて広報委員は7名いるんですが、毎回の編集会議にはひとりの欠席者もいませんでした。戸数300程度の小さな村落ですから出来ることなのかもしれませんが。
○みくも年子氏詩集『実の種の───』
1996.7.20 土曜美術社出版販売 1900円
一昨日の新延拳さんの詩集出版記念会で、ご本人からいただきました。ご両親、特に亡くなった母上への想いが強く出ている詩集です。
おしゃれをして
おいしいものを食べ
好きなことをしなさい
くちぐちにいいたてる娘に
≪好きなことがわからない・・・・・・≫
暗い瞳で呟き泣くまいと ○●
泣いた母 (「母のその想い・・・・・・」部分)
これ以上なにも付け加えることもないフレーズです。病床の母上への娘さんたちの投げかけと思いますが、「好きなことがわからない」というのは、私たちの世代の母親には共通してあったように思います。世がバブルで、大変な時期を過ごしているようにとらえられていますが、もっと大変な時代があったということです。「好きなことがわからない」生き方を強いられた人たちの上に、今の時代があるんだと思います。
他に200行を越える長編詩「血温」などもあり、意欲的で力の入った詩集です。実験的な手法もとり入れて、読者を簡単には放しません。
○井深杳氏詩集『射的場』
1998.10.10 詩学社 2000円
まったく未知の詩人からいただきました。「詩集」とは銘うっていませんが、「詩集」として問題ないと思います。歌謡曲の詞、エッセイのようなものもありますが、詩として扱ってよいように思いました。
上の画像の通り大正ロマン風の絵に、まず驚かされます。これはただ者ではない、と著者略歴をみると「立命館大学に遊ぶ。岐阜市立図書館、岐阜女子短期大学、岐阜市福祉事務所等に勤務(ののち)・・・競輪の車券投票師として自立」とありました。私もこの30年ほどいろいろな人から詩集をいただいていますが、現役の「車券投票師」という方からいただいたのは初めてです。私はギャンブルをやらないのでよく判りませんが「車券投票師」というのは、競輪に関係あるんでしょうね。今度、誰かに聞いてみようと思います。
逆回転
競輪レースは左回り(時計の逆回転)だ
もし、右回りになったならば・・・・・・
ハロン・タイムが落ちるだろう。
先行選手が有利になるだろう。
インコースが有利になるだろう。
失格、落車が増すだろう。
セリが少なくなるだろう。
思わぬ伏兵選手がS級で活躍するだろう。
固有名詞はまったく判りませんが、雰囲気はつかまえられたつもりです。それに競輪の詩なんて、初めて読みました。いやあ、世の中は奥が深い。
その他クラブのママさんから聞いた話をネタにした詩や、射的場の女をテーマにした作品など、おお、こっちなら俺も得意だゾ、というものもあってバラエティに富んでいます。「形而上催眠術」「骨と燐寸の自動記述法(オートマティズム)」などを見ると作者の幅の広さを感じます。一編がかなり長く、まるで小説を読むように拝読しました。
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