きょうはこんな日でした 【
ごまめのはぎしり 】
1999.4.2(金)
ふーっ、疲れました。セ・リーグ開幕の横浜:ヤクルトをテレビで観ました。横浜の連中はなんであんなに石井投手に弱いのか、情けなくなります。10:1で9回裏になってしまったときは、もうテレビを消してしまおうと思ったほどです。まあ、昔の横浜ファンはいつもこんな思いをしていたんだろうな、と気付いて、我慢して最後まで観ることにしましたが、、、。
観続けてよかったです。鈴木尚典のホームランをきっかけに10:5までは返しましたから。これがなかったら横浜じゃあないもんなあ。
またシーズンが始まってしまい、テレビのチャンネル争いも復活しました。時間も大幅にとられてしまいます。昨年のように、優勝・日本一があれば、そんなものはフッ飛んでしまいますが、さて今年はどうかな?
気を取り直して、きょういただいた詩誌・詩集の紹介です。きょうは三冊いただきましたが、この時間(23:30)では一冊しか紹介できませんね。
○日本現代詩文庫第二期(16)『江島その美詩集』
1999.3.25 土曜美術社出版販売刊 1400円
1991年に第二回日本詩人クラブ新人賞を受賞なさった江島さんからいただきました。いままで出版している詩集、『合歓』『水枕』『水の妊婦』『水の残像』『モケレ・ムベンバ』『天窓』から作品を集めています。他にエッセイ、童話もあります。
このうち『水の残像』『天窓』は以前にいただいてありましたが、他の詩集の作品はほとんどが初めてでした。
合歓の樹の下
自分の住む土地を知るには
おいしい水を飲むにかぎる
器でなく 自分の手で
蛇口でなく 土の中から
岩清水を両手にうけ
すず風といっしょに飲みこむ
なにごともなかったきょうのために
なにごともないようあすのために
この土地の水をからだにしみとおす
初めての土地のさびしさを洗い流すように
初めての土地の泪があたたかい泪でありますように
目をとじて水を飲む
合歓の樹の下
処女詩集『合歓』の中の作品です。「水の詩人」と呼ばれる江島さんの原点を見る思いがします。しかし、普通、詩を作る場合に言われている禁じ手を、ここではふたつも犯しています。「〜のように」はあまり使わない方がよい、「合歓の樹の下」という同じ言葉を使わない、のふたつです。
けれども、そんなものはなんだ、と言わせるような強さがこの作品にはあります。それは一連の2行が効いているからでしょう。「自分の住む土地」は、「初めての土地」なんだ、ということが読者に判り、禁じ手をねじ伏せる強さをそこに見ることができます。また私事になっちゃいますが、私のように40回以上も引越しの経験をしていると、特に強く感じますね。
作品ではないのですが、この文庫には江島さんの現在までの年譜が収められています。これが研究者にとっては有難いことなのです。私はまだ「研究者」と自分では規定していませんが、日本詩人クラブの名簿電子化を担当する者としては、本当に有難いことです。
まあ、詩集にはそういう読み方もあるんだ、ということを知っていただければ、と思います。
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