ょうはこんな日でした ごまめのはぎしり
  
980510 1998.5.10
 
この頁も淋しいので、こんな写真を入れてみました。中原道夫さんに連れて行ってもらった池袋の会員制クラブにて。ときどき坊主頭にします。


1999.4.8(木)

 まったく横浜ベイスターズにはガッカリしています。現在6回裏、0:4。6連敗に向かってまっしぐら。あーあ。
 気を取り直して、本日いただいた詩誌の紹介をします。


詩誌『よこはま野火』36号
    nobi 36
  神奈川県横浜市 阪井弘子氏 発行

 亡くなった高田敏子さんが主宰していた「野火の会」の、横浜近郊メンバーが、今でも出し続けている詩誌です。年に1回の発行と記憶していますから、もう36年になるんでしょうか。この会には今年99歳になった方もいらっしゃって、おそらく日本で最年長の詩人を有する詩誌だと思います。

 御自慢の徳利を さまざま並べてみせて
 ----今夜は どれで飲もうかな
    どれがいいですか----
 妹の御亭主は 目を細める
 ----まあ 素敵! どれも これも
    一輪ざしに いいわ----
 彼の 戸惑った顔     (飯田美世氏「花と徳利」部分)

 その99歳になる飯田さんの作品です。これはわかりますね。酒呑みにとって徳利というのは、言い知れぬ愛着があるようです。私はそこまでいきませんけど、酒呑みの気持ちは判ります。「一輪ざしに」と言われた「妹の御亭主」の顔が見えるようです。

 硬質な画面に流れる情報で働かされ
 取り寄せた薬で消される暮らし
 戦争ゲームのしらじらとした世界の果てで
 生き残る競争に血を流している
 人の愚かさで犠牲になった人々が
 この一〇〇年に一億数千万もいたというのに(真島泰子氏「ゼロ」第3連)

 コンピュータの2000年問題を扱った作品です。正直、「一億数千万」という数字には驚きました。ちょっと考えてみれば、そのくらいの数になるんですね。日本の人口に匹敵する犠牲者がいたなんて。本当に「人の愚かさで」というのに震えがするような気がします。

 奏で続けられると思った合奏は突然プツリと止んでしまっ
 た 大陸を越えて東の島に帰った彼は彼女を待った 積み
 上げられた楽譜を前に二人で奏でる日を数えて 電子メー
 ルは互いの言葉を運んだ それは余りにも速く 余りにも
 手易かったので心は乗り遅れてしまった  (菅野眞砂氏「E MAIL」部分)

 これもコンピュータを題材にした作品ですが、終りの二行がいいですね。E-Mailをそんなふうに見るとは思いもよりませんでした。確かに言われてみるとたやすいものかもしれません。そこから「心は乗り遅れてしまった」となるのも判るように思います。
 しかしパソコン通信やインターネットをそこそこやってきた身からは、こんなことも申し添えます。知らない者同士で電子メールのやりとりをしていると、実際に合ってみたくなるんですよ。それがある限り、人間はまだまだ捨てたもんじゃないと思っています。まあ、この作品で菅野さんがおっしゃっていることとは、ちょっと違う観点ですけどね。
 それに、そんな気持ちを悪用される危険もあるのは事実です。

 さて野球は9回表まで押してきて、1:6。ちょっとテレビに集中します。あっ、駄目だ! とうとう6連敗。ガックリ。



  
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