きょうはこんな日でした ごまめのはぎしり
  
980510 1998.5.10
 
この頁も淋しいので、こんな写真を入れてみました。日本詩人クラブの中原道夫さんに連れて行ってもらった池袋の会員制クラブにて。ときどき坊主頭にします。


1999.4.13(火)

 きのうは日本ペンクラブ電子メディア対応研究会の秦恒平座長に誘われて、文字コード標準体系検討専門委員会というところに行ってきました。(社)情報処理学会情報規格調査会というところの主催です。この学会はどうも通産省の外郭団体のようです。コンピュータ上の文字コードを検討しようという会議で、今回は5回目になります。
 秦理事は、この会に日本ペンクラブを代表して、第3回から委員として参加しています。私の所属する日本ペンクラブの電子メディア対応研究会も重大な関心を持ってこの会の動向を注目しています。そこで電子メディア対応研究会のメンバーも一般参加者として会議に参加しようということになったわけです。
 会には情報処理関連の大学教授、コンピュータメーカー、NHK解説委員、国語研究所所員、文化庁職員などの他に日本ペンクラブ、日本文藝家協会などが委員になっています。当面は JIS(日本工業規格)の規格審議に供し、その先の ISO(国際標準化機構)に日本案として提出しようというものです。

 参加してみて多少は安心しました。私はコンピュータ上の文字、特に漢字は無制限に使用できるべきだ、と考えています。それを無視する発言はなく、現実的にはどこかで線引きをして、優先順位を決めて文字コード化し、順次拡大していこうという意見が主でした。2万字なり5万字の上限を決めて、それにどんな文字を採用するか、といった私にとって一番嫌な論議にならなかったのは一安心です。
 今はまだ大枠を決めている段階ですからいいんですが、これが個別の論議になったら大変だろうなと想像します。線引きをすると言っても、どこで線を引くかは大問題になるはずです。それと、いつまでにこの論議を終了するのかということも判らず、不安です。最終的にはISOに日本案を提出しなければならず、いつまでもグズグス論議していていいはずはありません。適当なところで区切りをつけて、文芸家も参加した委員会で決めたことなんだからと、どこかの諮問委員会のようなことにならなければいいな、と思っています。
 この委員会についての感想は、私のHPにもリンクしている秦さん
【湖の本】【大原 雄の部屋】にも書かれています。ご参考までに。

 終ったあとはペンクラブの参加者の皆さんと銀座で呑みました。こっちの方は楽しかったですよ。私の所属する同人誌『山脈』にも書いたんですが、電子メディア対応研究会の皆さんは研究会が終るとさっさと帰ってしまいます。一緒に呑むと楽しそうな人たちが多いので、私は残念な思いをしていました。それが今回実現したわけで、とてもうれしい。思った通り、楽しい呑み会になりました。ただ私は4夜連続の呑み会で、さすがに疲れて、いつもより1時間早く帰りましたが。

 さて、本日いただいた本はこれです。


詩画集『血温』みくも年子氏
    ketuon
  1996.8.20 土曜美術社出版販売刊 5000円

 1996年の発売ですから、ご覧になった方もいらっしゃると思いますが、怖ろしい詩画集ですね。普通の「詩画集」という範疇では見ることができません。絵は水墨画のようであり、登場人物はほとんど妖怪か幽霊のようです。詩もまた人間への不信、憐憫にあふれていて、読む者の心理の奥底まで踏み込んできます。

 切りすてた五月切る五月

遮断機くぐりぬけ
ウヌ --- たちあがった一本の足

鉄の車輪に切断された血
ウヌ --- とたちあがり
切りすてた五月切る五月
裁ち鋏で髪を切る

  足かかえ
  血をせきとめ
  血をつなぎ
  血を吐き
  血を流し流す五月
  闇にころげ
  声をころして慟哭する

足ひきずりつづける五月
足ひきずりつづける五月

足がアシがこんなに長いとは ---

 あまり長い作品はとりあげられないので、この作品を紹介します。前出のように私の感じる一端を判っていただけると思います。この作品を飾る絵は、血塗られた足です。
 1980年の第1詩集『ふるさとふたつ』、1986年の第2詩集『抱きつきスリ』、1996年の第3詩集『実の種の--- 』から抜粋した、とあとがきにあります。おそらく日本でもこれだけの詩画集は存在しないんではないかと思います。

 さて今日の横浜ベイスターズは、佐々木が出てきて1点を守って、吉田阪神に勝っています。気分はウキウキです。我ながら単純なもんだと思いますね。



  
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