きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
】
1998.5.10
この頁も淋しいので、こんな写真を入れてみました。日本詩人クラブの中原道夫さんに連れて行ってもらった池袋の会員制クラブにて。ときどき坊主頭にします。
1999.4.18(日)
昨日は浜いさをさんの個展と出版記念会が六本木でありました。浜さんは『山脈』の表紙絵を提供してくれている人形作家・版画家で
す。1986年5月の『山脈』77号以降は浜さんの人形の写真や版画を使わせてもらっていますから、もう10年以上のおつき合いになります。私は4年ほど前に版画の写真を撮りに鎌倉のお宅までお邪魔しています。今回は筧槇二主幹とご一緒させてもらいました。
「おおっ!(B)」
私の一番好きな作品です。後ろに見える箱の中の男たち「箱の男」も好きで、一般的にはそちらの評価が高いのですが、私はこっちの
方が数段好きですね。卵の穴を覗きこむ男の姿、なんか、身につまされませんか?
浜いさを氏
浜さんとは、個展などに呼ばれた折にお合いするだけですから、年に一度あるか無いかです。そうやって10年ほど経ちました。全然変りませんね。童顔の人は得ですよ。私は毎年白髪が増えていきますから、10歳年上の浜さんをそのうち追い越してしまいそうです。
○エッセイ・評論集『人のかたち』浜いさを氏他共著
1999.5.25 沖積舎刊 2500円
当日、会場でいただいた本です。浜さんの作品について加藤幸子氏、萩原葉子氏などが解説しています。浜さんご自身のエッセイもあり、エッセイ風の年譜があって、資料としても一級品に仕上がっています。もちろん、浜さんの人形たちの写真もたくさん入っています。大きな書店には置いてあると思います。書店に無い場合は下記にご注文ください。
〒101-0051 千代田区神田神保町1-52 渇ォ積舎 電話03-3291-5891
さて、バージョンアップでトラブっていたこのホームページも、ようやく修復が終りました。この間、いただいた詩誌などの紹介が溜まってしまいました。ちょっとピッチを上げていこうと思います。
○詩とエッセイ誌『焔』51号
神奈川県横浜市 福田正夫詩の会 発行
西伊豆あたりから見上げる富士山は海岸線からそのまま、そ
の勇姿をそそり立たせている。富士の高みは、人に例えれば
ゼロから出発している。
八ヶ岳や浅間山は佐久高原という土台の上にそびえ立つ山だ。
その高さは、プラスから出発した山と言っていい。だが私は
その山々に郷愁を感じる。
大島の三原山は海底からそそり立つ山で、マイナスから出発
した山と言えるだろう。そして、その姿に勇気を与えられる。(高地隆氏「出発」部分)
うまいことを言うもんだなあ、と感心しました。ゼロとプラスはすぐに判りましたが、マイナスまでは至りませんでした。確かに三原山は海底から立っているんですね。こういう発想というのは大好きです。そして詩の最後の方にこういうフレーズが出てきます。
私はプラスから出発してなおかつ努力している人を憧れの目
で見る。
ゼロからの出発は当然、マイナスからの出発もあるが上を目指すことには変わりない。難しいのは、親の七光りというプラスから出発した人だ、そういう人が努力しているのは憧れる、と高地さんは言うんですね。この考え方にも敬服です。詩はやはり哲学だな、と改めて思いました。
その他、今回は亡くなった山田今次さんの特集も組んでいます。福田美鈴さんが「追悼・画家の中の山田今次さん」というエッセイをお書きになっています。金子秀夫さんは「寂しさのうた−画家菅野功さんへ」という詩の中で山田さんを取り上げ、さらに「山田今次詩のこと」というエッセイもお書きになっています。生前の山田さんの写真も載せてあり、私もついついご一緒させていただいた頃を思い出してしまいました。
○鬼の会会報『鬼』324号
奈良県奈良市 中村光行氏 発行
中村光行さんからいただきました。とは言っても、今回から私も会員にさせてもらいましたから、会報をいただいた、と言う方が正解かもしれません。
「鬼のしきたり」というコーナーがあります。ここではいつも中村さんの博識に驚かされています。今回は「東司」がそれです。禅寺で用いる厠のことだそうです。驚いたことに東福寺の東司は重要文化財なんですね。便所が重文になっているなんて、初めて知りました。
「鬼が島(女木島)のこと」もおもしろいお話しです。鬼が島が海賊の根城になっていたんだろう、と論を起こし、反体制の海賊が体制を守る水軍になっていく過程を解いていきます。そこには毒をもって毒を制する思想があると教えられると、なんやら現代を見ているような気になってきますね。
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