きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
新井克彦画「ムラサメモンガラ」 |
1999.5.1(土)
メーデーですね。組合から動員がかかって、10年ぶりに行ってみました。会社はじまって以来の、ボーナス減額という中でのメーデーでしたが、なんの影響もありませんでした。まあ、そんなもんでしょう。
小田原市の会場
久しぶりにO氏に合いましたのでパチリ。小学校、中学校、高校、会社と、ずっと一緒の同級生です。一時期、共同生活もしました。昔は「文学界」や「群像」なんかも読んでいた男ですが、最近は離れたようです。毎晩、一緒に呑み歩ったころが懐かしい。
Mr.O 会場にて
帰ってきて横浜−ヤクルト戦を見て、ガックリ。5−0の完封負け。まあ4連勝しているからいいか、と思ったけど、ファンとしては5連勝でも6連勝でもやってもらいたいもの。昨夜は急に営業との懇親会になったので9−3で勝ったところを見ていないから、今日は勝ったところを見たかったなあ。まあ、明日の楽しみということで、、、、。おっと、明日は群馬の「榛名まほろば」に行くから見られないか。
さて、気をとり直して、いただいた本を紹介しましょう。
○詩とエッセイ誌『獣』50号
神奈川県横浜市 本野多喜男氏 発行
獣
けものは、腹が切れない。けも
のは、自殺ができない。ぼくら
「獣」は、その獣皮のうえで、
酒を汲み、ときに泪する。(S)
ひらたきよし氏のエッセイによると、第3号からの巻頭詩だそうです。1972年の創刊ですから、今から27年前。若かった同人の皆様の意気込みが伝わってきて、いい巻頭詩ですね。
背中/本野多喜男
隣家の女が ふとん を叩いている
眼をつり上げ
いまにも破れそうな音で叩いている
埃も出つくし 中綿が飛び出すんじゃないか
と考えていると
急に背中が痛んできた
まるで叩かれているように痛い
声を発したわけでもないのに痛い
そして屋根から
斜めの風が降りてきて
全身がふらつき倒れそうになる
隣家の女はまだ ふとん を叩いている
よくある光景ですね。それを「斜めの風が降りてきて」と捉える作者の感性は並ではありません。「隣家の女」を「眼をつり上げ」と表現したところに、この作品の成功の基本があると考えました。だから「急に背中が痛んできた」というのもよく判るんだと思います。
今号は50号記念ということで、同人の皆様がそれにまつわるエッセイを書いています。創刊当初のいきさつが判って、詩誌研究の上からも貴重なエッセイだと思います。また新井知次氏は東野伝吉さんの追悼エッセイを書いていて、私も東野さんの『詩の中のアジアと戦争』は読んでいますから、よく理解できます。東野さんとお合いしたことがなく、今さらながら残念に思います。
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