きょうはこんな日でした ごまめのはぎしり
murasame mongara
新井克彦画「ムラサメモンガラ」




1999.5.3(月)

 昨日から泊り込みで、富沢智さんの現代詩資料館「第2回榛名まほろばポエトリー・ステージ」に行ってきました。中上哲夫さんのトークと、奥さんの佐野のりこさんのリーディングがあるというので、楽しみにして行ったんですが、失敗しました。
 そもそもは、5月連休の渋滞予測が甘かったことに起因します。東名→首都高と行って、途中で文京区本郷で降りて新延拳さんを拾って、関越で群馬県榛東村まで5時間。と踏んでいたんですが、なんと7時間かかってしまいました。第1部の中上さんトークショーは終っていました。通常は3時間コースなんですよ。ご同乗いただいた新延拳さんには申し訳ないことをしました。
 中上さんには「もう一回やってくれ」とお願いしたんですが(^^;、「ぼくのショーが終るのを待って、それから入ってきたでしょう」とやり込められてしまいました。
 まあ、佐野のりこさんの朗読は聞けたからよしとするかな、と思っています。佐野さんの朗読は初めて拝聴しましたが、なかなかいいもんでしたよ。童話作家ということで、その雰囲気もありました。

  sano noriko
   佐野さん

  nakagami totuo
   中上さん

 詩人の奥さんは美人が多い、と私は思っているんですが、中上さんちもその通りですね。中上さんのお話しは聞けなかったんですが、質問コーナーでのお話しは聞けました。
 「路上派」詩人は、相変わらずシャープでした。もとになるトークの内容を知らないわけですけど、質問にお答えになっていることから内容が推測できました。
 詩誌『東国』の井上敬二さんを交え、その夜は遅くまで呑んで、結局、新延さんと二人で資料館に泊めてもらいました。ちゃんと布団も備えてあって、夜食まで用意してもらって、富沢さんには感謝の言葉もありません。で、宣伝。皆さん是非「榛名まほろば」に行ってあげてください。個人の現代詩資料館なんて、おそらく日本唯一でしょう。あなたの詩集も大切に保管されているかもしれませんよ。

   mahoroba
    資料館内部

 この隣の部屋が喫茶店・スナックになっています。そこで酒呑みながら気のあった仲間と詩の話しをするなんて、最高の贅沢ですね。私のこのHPにもリンクされていますが、
http://www.tecc.or.jp/~mahoroba/ も是非ご覧になってください。
 帰りはすぐそばの「群馬温泉やすらぎの湯」に入ってのんびりできたし、ベイスターズは宿敵中日に勝って2連勝だし、言うことなしの一日でした。

 さて、本日ご紹介する詩集はこれです。


藤尾花作氏詩集『盈虚』
   eikyo
  1999.5.10 書肆青樹社刊

 日本詩人クラブでお合いしている藤尾さんからいただきました。不勉強で「盈虚」の読みも意味も知りませんでした。調べたら、「えいきょ」と読み「月の満ち欠けのこと」とありました。

 盈虚は地球を宇宙を人間を
 支配することで
 未完の永遠を引摺りつづける
 明暗 光陰 表裏は
 ジグザグ模様
 悠久という言葉は
 宙を舞う  (「盈虚」最終連)

 ある意味では宇宙の支配下にある「盈虚(月の満ち欠け)」が、逆に宇宙を支配するという発想はおもしろいと思いました。「明暗 光陰 表裏」を「ジグザグ模様」と規定する考え方も並ではありませんね。それら三つをどうして同じ「ジグザグ模様」と考えられるのかは私にはちょっと追いつかない発想ですが、それがこの作者の特徴ではないかと、全編を読んでみての感想です。

 弥留喜地蔵 聞いたことないね
 もう一度弥留喜地蔵
 それがあったのだ川崎市繁華街ひさご通りを
 すこし横町に這入ったら
 店先に青っぽい石地蔵が
 名付けて弥留喜地蔵  (「弥留喜地蔵」第2連)

 これはおそらく実話だと思いますが、おもしろいお地蔵さんがあるもんですね。一度拝んでみたくなりました。ん? やる気がなくなったら川崎まで出向く気もなくなっちゃうかな(^^;



 
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