きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
新井克彦画「ムラサメモンガラ」 |
1999.5.20(木)
横浜−中日戦は現在、佳境に入っています。あらら、テレビは終っちゃった。9回表、ラジオに切り換えます。3−4で負けてるからなあ、どうなることやら・・・・。去年はこういう場面でほとんど競り勝っていたんですが、今年は勝てる場面が少ないから、心配です。
しかし、東海ラジオで聞いていますがおもしろいですね。やはり地元の中日をひいきしています。ああ、ゴメスが打った、3−6。駄目かなこれは。あ、関川打った! 3−7。もう逆転は無理だなあ。
ああ、やっぱり負けちゃった。ガクッ。
まあ、野球は野球として、きょういただいた詩誌を紹介しましょう。日本詩人クラブの前理事、丸地守さんからいただきました。
○詩誌『詩と創造』30号
東京都東村山市 書肆青樹社・丸地守氏発行
毎号のように韓国の詩人の作品を載せている詩誌です。今回も「韓国新鋭詩人小特集」を組んでいます。
赤ん坊は力の限り眠る。柔らかく豊かな眠り
を一瞬もこぼさずに、深く吸い込んでいる。横
でテレビが声を張り上げ、大人たちが騒いで
も、赤ん坊の眠りは少しも疎んだり傷ついたり
しない。暗闇の中で樹液を吸い上げる根のよう
に、眠りは物静かだが、休まず動く。
(金基沢「赤ん坊は力の限り眠る」第1連・韓成禮訳)
ほれぼれするような作品ですね。詩の本来持っている力強さ、健全性を感じます。底にある人間への賛歌もすばらしいです。「柔らかく豊かな眠りを一瞬もこぼさずに」という表現も素直に胸に入ってきます。なかなかできない表現ですね。
果物屋にて/崔泳美(韓成禮訳)
林檎は桃を知らず
桃は葡萄を知らず
葡萄はひどく酸っぱいミカンを知らず
このようにおまえたちは、互いに他から来たけど
ある秋の日の午後、
夫婦のように気楽に背中を当てたまま
押したり引いたり
赤くなったり青くなったり
一つの世界がこうして楽しくなるのだなあ
韓国では現代詩がもてはやされているようです。この作者の1994年に出した『三十、宴は終った』は、なんと100万部以上売れたそうです。日本ではとても考えられないことですね。その「三十、宴は終った」も掲載されていますが、ちょっと長いので控えます。しかし、この作品もなかなかのものです。最後の一行の抑え方も見事です。作品の雰囲気をガラリと変えて成功していると思います。
二人の作品を通じて感じるんですが、前向きですね。素直と言ってもいいかもしれません。韓国は儒教の精神が強いと聞いていますが、そんなところがいい意味で出ているんでしょうか。
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