きょうはこんな日でした　【 ごまめのはぎしり 】

新井克彦画｢ムラサメモンガラ｣

1999.5.23(日)

　きのうは終日「山脈デー」でした。13時から『山脈』104号の編集会議、15時からは編集会議のメンバーと「みなとみらい21」地区の散策。18時からはお定まりの例会と、結局22時頃まで９時間も山脈同人と一緒でした。気の合う人たちばかりですから、あっ、という間に時間は過ぎてしまいましたけどね。
　しかし、悲しい思いもしました。例会の会場になっている、横浜・野毛の「今福」に行ってみると、いつものコン太がいません。あれ？どうしたのかな？とたずねると、なんと、おととい死んでしまったとのこと。これには驚きました。昨年、癌で片足を切除したのは知っていましたが、三本足でも健気に生きていましたので、まったく予想もしていませんでした。

　　　
　　　　　1999.2.13
　こんな犬です。片足が無いのがお判りになるでしょう。飲食店というのは通常、動物の連れ込みは嫌がるんですが、「今福」はそんなことはありません。コン太はいつも店にいて、客にも愛されていました。店に行くたびに尻尾を振ってくれ、コン太の頭をなでてから席に着くのが慣わしになっていました。きちんと専門の業者に頼んでしつけてもらったそうです。山脈主幹の筧さんの、今は亡くなったポポもよく店には出入りしていたものです。

　　　
　　　　　1999.5.22
　驚いたのが、上の写真。真ん中の白い袋がコン太の遺骨です。その前に遺影。たくさんの花に囲まれて、人間でも下手をするとこうはいきません。筧さんのポポも死んだときはこのようにしてもらっていました。捨てられしまう犬もいれば、こうやって死んでからも大事にしてもらう犬もいて、感無量です。犬を捨ててしまうような輩には、この写真を一度しっかり見てほしいものです。
　お店をやっていますので線香こそありませんでしたが、山脈の同人は全員、手を合わせてきました。コン太もきっと喜んでくれたと思います。これから淋しくなりますが、いい犬でしたのでいつまでも記憶されるに違いありません。
　ちなみに、野球なんか見たこともなかった私が、ベイスターズの大ファンになったのは、この店の影響によります。きのうは12：５で勝ちましたが、きょうは10：５でボロ負け。ベイよ、コン太のためにも勝ってくれ！
　まあ、そんな訳で、ちょっと淋しい酒になりましたが、例会は例会として楽しみました。

　　
　左が主幹の筧槇二さん、右が我が山脈の誇る女性陣です。お店の様子も見えますが、北海道料理と銘打っています。安くてうまい！　私はほっけを頼みましたが、とうとう全部は食べきれませんでした。

　　　
　　　　1999.5.22
　他人様ばかり登場願ったのでは申し訳ないので、たまには私も登場しましょう。左が若手有望株の吉村俊哉さん、右が私です。年の差は歴然としていますが、まあいいか、そんなことは。おぢさんもがんばって呑むぞ！


○筧槇二氏詩集『夕暮れの時はよい時』
　　　
　　1999.5.1 山脈文庫刊

　当日、主幹も初めて手にしたという、この詩集のうちの一冊を私もいただきました。主幹の詩集ですから、私などが批評めいたことを書けませんので紹介にとどめます。ただ、コン太のこともありましたので、次の作品は転載させていただきます。

　介護について − または、夕暮れの時はよい時

父の死のときは
母が看(み)た

母の死の前
妻は介護の教習にかよつた

しかし　母は突然死だつた
妻の学習はからぶりに終つた

十七歳の犬　パグ種のポポが
腰が立たずに寝たきりになつた

にんげんの年齢に換算すると
九十歳代後半になるポポの目は悲しい

流動食　下(しも)の世話
妻の学習は妙な場で生きた

犬猫の話で文通のあつた玉置保巳さんが
ことし三月逝つてしまはれた

奥さんは蜘蛛膜下出血で��ねむり姫��
ご自身も車椅子を駆しての介護だつたのに

−なんたる不幸！

ポポを抱いて外を歩く
気霽らしの目だけが動いて悲しい

通りすがりのご老女が語りかけた
−あんたはいいわねえ
　しあはせねえ
　にんげんの年寄りなんて
　そんなに面倒みてもらへないのよオ


○村山精二詩集『特別な朝』
　　　
　　1999.5.20 山脈文庫刊

　なんのことはない、自分の詩集です(^^;　私もきのうもらいました。内容紹介も特にしません。この一月ほどをかけて、ボチボチ発送していこうと思っています。届きましたら読んでやってください。
　基本的には、今まで詩集をいただいている方に贈呈するつもりです。贈呈先は約500を予定しています｡お届けできない方がいらっしゃるかもしれません。そんな方でご希望の場合は　pfg03405@nifty.ne.jp　までご一報ください。



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