きょうはこんな日でした ごまめのはぎしり
murasame mongara
新井克彦画「ムラサメモンガラ」




1999.5.26(水)

 日本詩人クラブで刊行しようとしている『日本の詩100年』の原稿〆切は5/31です。あと4つの原稿が残っていますので、きょうは休暇をとって書き上げました。終日書いて、終りました。2時間ほど昼寝もしましたけどね(^^;
 あとは『詩と思想』に送る原稿が2つ。ひとつはこれまた5/31〆切。詩を新たに書かなければいけないので、ちょっと頭を冷やしてからとりかかります。きょうは無理かなあ、あしたには仕上げないと間に合いそうもありません。

 横浜−ヤクルト戦を見ながらこのHPの書き込みをしています。鈴木の満塁ホームランで4−0。と思ったら、あれあれペタジーニに1本打たれて4−1。ちょっと川村が意気消沈しているようですが、まあ、きょうは大丈夫でしょう。あっ、真中に打たれた! 2点差なっちゃった。川村降板、阿波野に交替です。あらあら阿波野も1球投げただけで2ラン、降板。島田が出てきました。
 げっ、古田の犠牲フライで1点差! でもまあ、佐々木が出てきたから、、、えっ、4ボール!? 1週間空いちゃうと駄目なんかなあ。ええっ、佐々木が打たれた! 同点になっちゃった!
 延長10回、進藤のタイムリーで1点とって、どうにか勝ちました。佐々木もやっぱり人間ですね、なんかホッとしますけど、試合としては安心して見ていたものです。


詩と散文・エッセイ誌『吠』7号
   bou 7
  千葉県東庄町 山口惣司氏 発行

 日本詩人クラブの山口惣司さんよりいただきました。

 昨年の三月下旬 荒川法勝先生は
 しばらく欠席されていた「玄」の例会に
 機嫌よく出られ終始にこにこしておられた
 帰路自宅付近で車を降りられ
 急に下腹部を押さえて立ち止まられた
 玄関によろよろと入られたおり
 「惣ちゃん有り難う」と言われたきり
 振り返ることもなかった

 どんな折りにも
 「上がって茶でも飲んで行け」
 と 特別心優しい先生のいつもの声はなく
 苦痛でゆがむ後ろ姿を見た
 それは凝縮された痛みとなって
 今も私の下腹部にある    (山口惣司氏「こんなに春でも」第3・4連)

 それから一月半ほどで荒川法勝氏は亡くなりました。氏を慕う山口さんのお気持ちがよく伝わってきます。荒川法勝氏と私は面識もなかったんですが、評判はいろいろ伺っています。慕われた、いい人だったようです。

 しばし沈黙の静視ののち
 再び くるりと
 前に向きなおって歩き始めた私を
 通路に響く足音が
 コツコツといつまでも追いかけてくる
 それを振り切るように
 私は自らに言い聞かせた
 「もう二度とソウルを訪れることはあるまい」
 と−     (東みゆき氏「ソウル再び(ソウル'97)」第5連)

 東みゆきさんとは1996年前橋の世界詩人会議でお合いしています。北海道旭川の方で、私の生まれ故郷とも近いこともあって、それ以来文通が続いています。いい人が『吠』に入ったと思います。
 この作品は、1997年に行われたソウルでの詩人会議を扱っています。金甫空港まで見送ってくれた韓国の詩人に対して書いています。この中で「もう二度とソウルを訪れることはあるまい」とありますが、このあとには、韓国の詩人たちと関係の深い「吠」に入って、再び合える日が来るかもしれないと結んでいます。
 この気持ちは判りますね。まあ、韓国と日本とは近いですから、物理的には再会する確率は高いです。しかし日本国内でも、もう生涯合えないんではないかと思う人も多いわけですから、地理的な問題ではありません。それが同人誌を通じて合える確率が高くなるというのは、文化としての同人誌の良さを感じます。


月刊詩誌『柵』150号
   saku 150
  大阪府能勢町 詩画工房・志賀英夫氏 発行

 150号になった『柵』の記念号です。100〜149号までの目次が資料として載せられ、なにかの研究の折りには重要な資料となります。詩誌がこういうふうに自分たちの仕事をまとめるのは、とても大事なことだと思います。日本詩人クラブの『日本の詩100年』の一部を執筆してつくづく思いました。

 寮生心得/桜井武尚氏

こんど新しい寮ができたので
寮生はつぎの心得をよくまもること
一 家をかじらないこと
二 ねるまえにさわがないこと
三 あまり大きな声でほえたてないこと
四 山鳩とか雀とか蝶々とかを攻撃しないこと
五 手や鼻の頭で地面をむやみに掘らないこと
◎注意 しかられたことは忘れないこと

 なんのことを言っているのかわかりますか? この詩誌に連載されている桜井武尚さんの作品、ずっと読んでいる人にはお判りと思います。桜井さん宅で生まれた4匹の子犬たちへ向けた「心得」なんです。この次の頁に掲載された「寮 解散」で、その子犬たち、<はなあか>、<くろ>、<はなぐろ>、<ちゃ>がそれぞれめでたくもらわれて行ったのが判ります。
 それにしてもいい作品ですね。うちの愛犬百個(モモコ)にも聞かせてあげたい。室内犬で、めったに外には出ないので「四」は関係ありませんが、あとは全部あてはまります。特に「◎注意」は、本当にそうだと思います。どうも判っていて、わざとやっているような気がしますが。「五」の心得を見ると、桜井さんがいつもどんなふうに犬たちと接しているかが判ります。「前足」ではなくて「手」なんです。家族の一員として扱うと、こういう表現になるもんなんですね。
 心あたたまる作品に触れて、横浜ベスターズも勝って、おいしい酒を呑んでいます。一年のうちで、こういう日がどれだけあるかで、その人の人生の豊かさが決まるように思います。



 
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