きょうはこんな日でした ごまめのはぎしり
新井克彦画「茄子」


1999.7.8(木)

 うーん、うれしい(^^) 横浜−広島戦、現在6回表4:0。このままいけば勝てそうです。念願の勝率5割を達成しそうです。やってくれ! 頼みますm(__)m あっ、江藤にホームラン! まあ、1点くらいいいか。ほら、9回表は鈴木のタイムリーで5:1。おっ、佐伯の二塁打で6:1。あれあれいつの間にか8:1。これじゃあ、佐々木の出る幕がないなあ、ツマンナイ(^^;
 9回裏、森中登場、無失点。勝った! 勝率5割達成!「これが目標ではない」という先発斉藤隆のコメントもうれしいね。気を良くしてどんどんいただいた本を紹介しちゃいましょう。


日本温泉協会『温泉』通巻730号
   onsen 730
  1999.6.1 (社)日本温泉協会発行 320円

 珍しい雑誌を紹介します。『山脈』同人の西本梛枝さんからいただきました。職業は旅行作家です。主に西日本を中心に取材旅行に出かけているようです。この雑誌では「湯の里 つれづれ」という連載コーナーをお持ちになっています。
 今回は連載(15)「私の湯治場選びの基準〜垂玉(タルタマ)温泉(鹿児島県)〜」で、湯治場の基準を述べて、お眼に叶った所として垂玉温泉を紹介しています。

  その昔、北原白秋や吉井勇たち五人が阿蘇
 登山の折、この温泉に泊まり≪実に気にいっ
 た。≫と記している。九十数年後の今も全く
 同               (部分)

 とお書きになるあたり、さすが詩人。九州は仕事で一度しか行ったことがありません。10日くらい湯治でゆっくり行ってみたくなりました。


滋賀銀行PR誌『湖』130号
   mizuumi 130
  1999.7 滋賀銀行営業統轄部 発行

 こちらも前出の西本梛枝さんからいただきました。こちらにも「近江の文学風景」と「街物語」を連載しています。37頁の小冊子ですが、そのうち20頁が西本さんの担当です。商売とは言え、このPR誌が西本さんに寄せる期待が判るというものですね。
 「近江の文学風景」では海音寺潮五郎の『武将列伝』を取り上げ、近江・日野町に関係の深い蒲生氏郷を紹介しています。こういう紹介の仕方は、地元にとって感激でしょうね。文芸作品と実在の戦国武将。しかも、オラガ町。

 残念ながら私の住所は神奈川ですので、西本さんに紹介されることはないでしょう。しかし、近い思いをしたことがあります。以前、このコーナーで水上勉の『湖の琴』という本を取り上げてくれたことがあります。その本は昔買って、持っていたのですが、読んでいませんでした。西本さんの琵琶湖と『湖の琴』についての文章に惹かれて、あわてて読んだことがあります。紹介された琵琶湖と『湖の琴』が哀愁を帯びて私の胸に迫ってきて、行ったこともない琵琶湖を思い描いたことがあります。
 琵琶湖の近くに住んでいる人なら、喜んで西本さんの文章を読んだだろうな、と想像しました。そうやって自分の住んでいる土地と文学作品の関連を紹介してもらったら、どんなにうれしいことだろうと羨ましく思った次第です。こういうエッセイの醍醐味でしょうね。


在間洋子氏詩集『花瓶の水』
    kabin no mizu
  1999.3.25 土曜美術社出版販売刊 1800円+税

 あとがきで判りましたが、故・高田敏子さんの「野火の会」の会員なんですね。どうりでうまいと思いました。

 蛇口

キッチンの水道の
栓がかたい
指先にあまる力で
強く捩じられている

カチリとドアを閉じて
靴音といっしょに去(い)った人の
こんなところにあった
忘れもの

 普通ですと「靴音といっしょに去った人」というのは、恋人であったり不倫の相手であったりしてドラマ性を高めようとするのですが、他の作品から判断するとご亭主と考えて間違いなさそうです。しかし、ご亭主であるか恋人であるかギリギリの表現をしていて、読む側をやきもきさせて、非常にうまいなと思います。
 日常の何気ない情景を詩にしていくのは、簡単なようで実は一番難しいと私は考えているんですが、その観点からも素晴らしい作品だと思います。ここまできっちり書ける詩人は、そうそういるものではありません。お名前は最近あちこちで拝見していますが、まったく存じ上げない方です。こんなに素晴らしい詩人がいたのか、と不勉強を恥じるばかりです。
 神戸にお住まいですから、1995年の震災も体験なさっています。「またひとつ」「神戸南京町の兵馬俑−一九九五年一月十七日の朝」という作品でそれを窺うことができます。私事で恐縮ですが、私もそれを素材とした作品を書いたことがあります。それと比較すると雲泥の差ですね。体験なさっているにも係わらず、詩人としての冷静な目をお持ちになっていて、私のような押し付けがありません。この詩人の底力を知らされた思いです。



 
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