きょうはこんな日でした ごまめのはぎしり
新井克彦画「茄子」


1999.7.31(土)

 いよいよ7月もおしまいですね。私事ですが、きょうで私もとうとう大台に乗りました。別にどうということはないんですが、昔から「人生わずか50年」という言葉が頭にこびりついていました。50の壁を越えられないんじゃないか、という変な思いもありました。それを越えたんですから、まあ、めでたいことではあります。この歳になるまでには何人もの後輩や同級生の死に遭遇しています。自分の喜びとともに、彼らの冥福を祈ります。
 ちょっと湿っぽくなりました。きょうはいい話題もあるんです。甲子園の阪神−横浜戦は、きのうに引き続いて8:2で圧勝。貯金も1にしています。やっぱりベイスターズが勝つとうれしいですね。きょうは会社から呼び出しもないことが判っていましたから、18:15から21:45までテレビ観戦をしました。うん、ビールがうまい!


鬼の会会報『鬼』327号
   oni 327
  奈良県奈良市 中村光行氏 発行

  知らぬ人が多いだろうが、わが国の鳥学会
 は昭和二二年(一九四七)の春、キジを国鳥
 に選んだ。キジは世界で、わが国にしか生息
 せぬ鳥である。  (「日本の国鳥」部分)

 へえー、そうなんだ! 国鳥であるということも、わが国にしかいないということも知りませんでした。そういえば昔はキジをよく見かけましたね。私の実家のある、静岡県御殿場地方の山を、子どもの時は駈けずりまわっていましたから記憶があります。ケーンという鋭い声も覚えています。それにしても旧赤坂離宮、目白の椿山荘や六義園にもいるらしいとのことで、これは驚きです。
 「鬼」は、もちろん鬼の話題が中心ですが、このようななんでもないことのようなものを教えてくれるので非常に参考になります。小冊子ですが中身が詰まっています。昔、お年よりが炉辺でいろんな話を聞かせてくれていたような雰囲気です。なかなかタメになりますよ。


詩誌『帆翔』18号
   hansyo 18
  東京都小平市 岩井昭児氏 発行

 それにしても万歩計で
 健康のバロメーターを図ろうなんて
 世も退屈しごくだ

 いつか歩かなくなった未来人間どもが
 「歩行と長寿について」と
 あらたまって不思議な物語りを書くことだろうか (荒木忠男氏「散歩」第3、4連)

 これは判りますね。自分の生活を振り返ってみても、なんと歩かなくなったことか。会社では年に一度のキャンペーンで、何10万歩を歩こう、とやっていますよ。もちろん万歩計で測って。
 自動化する機械を設計する上で、ひとつのジレンマがあります。あまり便利にし過ぎると、その機械の本来の意味が忘れ去られたり、トラブルなどの咄嗟の場合に対応できなくなるというものです。適当に人間が介在する機械を作るのが難しい、と設計者は言っていました。

 物が安いということは
 毒を振りかけてあるということ
 知って知らないふりをする
 まっとうに生きることなんて
 お笑い草さ
 廃棄ガスに汚れた肺をゆすりながら (同・第7連)

 これは怖い言葉です。しかし「物が安いということは/毒を振りかけてあるということ」というのは、その通りと考えた方がいいでしょう。そうでなければ安くならないからです。
 荒木さんの作品から、改めて戦後50年とはなんだったのかと考えさせられました。高度成長の一端を担ったと、私も自負していますが、結果は成功だったかどうか、疑わしいですね。



 
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