きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
新井克彦画「ムラサメモンガラ」 |
1999.8.6(金)
きょうは広島原爆の日。犠牲になった方々の冥福をお祈りいたします。だからという訳ではないんでしょうが、台風8号が接近して、時折強い雨脚になりました。そんな中で陽が差して、書斎からフッと窓の外に目をやると、なんとまあ、虹!
1999.8.6
見えますか、ど真ん中に虹。こんなに低い位置に出ているのを見たのは初めてです。あわててデジカメ持って外に出てみました。あまり良く写ってないけど、実際はもっとはっきりしていましたよ。
しかし、どうでもいいけど私の書斎から見える風景って、ほんとにド田舎ですね。手前が蜜柑畑、右のこんもりしているのがお宮さんの樹木。遠くの山並みは丹沢のはずれです。こんな風景を毎日眺めながら暮らしています。
○横田英子氏詩集『風の器』
大阪市北区 編集工房ノア刊 2000円+税
私のからだの奥深くで
肉にまみれて一本の針が
いよいよ先を研いでいる
女である限り持ち続けなければならない
針であった (「針」終連)
正直に言って、この感覚は私にはよく判りません。しかし、何か私には判らないけど大事なことを言っているんではないかと思います。それは何なんでしょうね。あるいは、男である限り…と変えた場合に出せるものは何なんでしょう。自問しています。
蟹も遊びたいな
蟹も寒いかな
蟹に生まれていなかったら何だろう
子どもたちが
蟹を描きながら喋っている
蟹に生まれていなかったら
私だったかもしれない
横へそれてそれて歩いてしまう
ことばが次から次に泡になってしまう
私は蟹だった (「蟹を描く」第1、2連)
これは私にもよく判ります。「横へそれてそれて歩いてしまう/ことばが次から次に泡になってしまう」というフレーズはうまいな、と思います。
横田さんは小学校の先生で、この春、定年退職なさいました。この詩集にも子どもたちのことがいっぱい出てきて、この春までPTAや子ども会などで小学生に接してきた私にも、同じ思いが伝わってきます。中学生より、やはり小学生はいいですね。彼ら、彼女らと話しをしていると、心の中まで洗われるようです。
○詩誌『スポリア』5号
愛知県知多郡 坂口優子氏 発行
イメージ三行詩 「ある絵画」から
二度続いて[1]が出た後
三度目に[1]が出る確率は
やっぱり六分の一 (熊埼輝日古)
運命
でたら
め の言葉 (長谷賢一)
数学の中で特に苦手だった
生きることは
気まぐれな確率かも (村山妃都美)
サイコロ遊びは もうしない
何度振っても
六以上は出ないのだから (坂口優子)
「ある絵画」とあってサイコロの絵がありますから、サイコロを主題につくったものと思われます。こういうことをすると個性が出ておもしろいですね。4人が4人とも視点が違っていて、なるほどと思わせます。言葉の練習という意味でも有効かもしれません。
エッセイに村田しのぶさんという方が「詩の音、おと、オト」というものをお書きになっていて、これも考えさせられました。カナダ在住だそうですが、カナダの小学生が俳句を作るということを紹介しています。「俳句とは季節をふまえる語を用いた三つのラインからなる三行詩」という定義で作られており、そこには五七五はない、と報告しています。まあ、それなら英語でも作れるわけだ。
でも、古池や/蛙とびこむ/水の音 は、
オールドポンド/フロッグジャンプイン/サウンドオブウオーター
となっていて、やるせない、と書いています。
それだったら私たちが中学生の頃に流行った、
Free care Car was to be came Miss Note
の方が可愛げがあるなあ。意味? ありません、そんなもの(^^;
○第49回東西老舗大古書市『出品目録抄』
京王百貨店 刊 500円+税
どうしてこういうものが送られてくるのか見当もつきませんが、おもしろそうなので紹介します。「このま書房」という所から送られてきました。京王の新宿店で8/6〜11に開催されるようです。
古書は興味がありますが、何がなんでも手に入れたいというものが現在のところはないこと、やはりそれなりの値段がすること、のために手を出していません。研究者は大変だろうな、と想像しています。
せっかく送ってくれたんだから宣伝。「興味のある人は行ってみてください」(^^)
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