きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
新井克彦画「ムラサメモンガラ」 |
1999.8.13(金)
うーん、ベイスターズはどうなっちゃうんでしょうか。10連勝の後は2連敗。きょうは2位巨人との対戦です。3:2と逆転したからホッとしていたら、あらあら7:3。ピッチャーのガルベスに満塁HRを打たれるなんて、川村も情けないなあ。リリーフ五十嵐、ふんばれ!
あーあ、8:3になっちゃった。こりゃあ、無理かな。8:4になったぞ。おっ、8:5。でもやっぱり駄目でした。ガクッ。
気を取り直して詩誌の紹介に行きましょう。
○個人誌『空想カフェ』3号
東京都品川区 堀内みちこ氏 発行
個人誌≠ニ勝手に書きましたが、同人制をとっていないようですので、たぶん合っているでしょう。日本詩人クラブでご一緒している堀内みちこさんからいただきました。と言うか、今月から我が『山脈』の同人になりましたから、お仲間です。
汽車にゆられて/堀内みちこ
行方不明の一人旅
日暮れまえの砂浜に座り真の旅人だと
声に出して何度も言ってみる
わざわざ汽車に乗らなくても
毎日 あっという間もなく過去になる旅を
している している しているのに
たまには本物の風来坊になるべきだという
ふかーい理由を抱いて定位置から離れてみたのよ
けれど記憶力が良すぎるワタシは
夕陽が植えた波間の薔薇を
摘んでは摘んで花束をキミに
何故か突然ほのぼのとして
ありがとう
見知らぬ人たち
堀内みちこという詩人の特徴が端的に表れている作品だと思います。特に最終連の「ありがとう/見知らぬ人たち」というフレーズは、堀内さんの好人物ぶりが出ていると思います。
2連の「している している しているのに」という畳みかけも堀内さん独特のものでしょう。リズムと言ってもいいかもしれません。詩の全体を流れるのが、このリズムだと私は思っています。
○『釉彩(ゆうあい)詩誌』No.1
栃木県茂木町 湧太・釉彩氏発行
このHPでも9、10号を紹介している詩誌の、1996年発行の創刊号をわざわざ送っていただきました。ありがとうございます。
私がいただいた頃は『湧彩詩誌』だったのですが、当初は『釉彩詩誌』だったのですね。
創刊号は女性の釉彩さんの作品特集になっています。
炎
いのちの炎のように
赤 あかと
燃え盛り 渦をまき
焼きものを包囲して
自由奔放に あばれまわる
朱一色の炎
窯の中では
釉薬をかけられた焼きものが
さまざまな色彩や模様をまといたいと
変身への願望をつのらせている
炎の熱い河に抱かれて
身を焦がす
溶かされて ぶつかりあい
葛藤をくりかえし
赤や紫の 原色の
華やかな色彩を身にまとう
つくられた形よりも
こころの中で描かれた
この世のものとは思われない
幻の形 情熱の色
炎の魔力にあやつられ
鮮やかな血の化粧を ほどこされ
みちびかれ 燃えあがり
焼きつくされたいと
炎の河を渡る
ようやくこの詩誌の本質を見た思いです。私が以前にいただいていた号は、性描写がかなりあったので、正直、面食らったものですが、この作品で理解できました。陶芸なんですね。だったら「炎」も当然ですし「燃焼」も当然です。そこから男女の性愛に結びつくのもよく理解できるところです。この作品の第1連がイメージとしてはぴったりするかもしれません。
創刊号を拝見して感じたのですが、やはり初めは肝心ですね。その詩誌の設立目的があとあとまで尾を引いて、それを知らない読者は本質に入れないのかもしれません。そんなことは関係ないというご意見もおありでしょうが、私にはそう思われてしかたありません。
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