きょうはこんな日でした ごまめのはぎしり
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ベニス'99夏




1999.9.10(金)

 埼玉県児玉町に出張してきました。平原なんですね。ちょっと曇っていたせいもあったのでしょうが、山なんてなんにも見えず、だだっ広いという印象です。塙保己とかいう人の生誕の地、とありました。浅学にして知りませんでしたので、相手の会社の人に聞いてみましたら、江戸時代の文学者のようです。本庄だったかな?渋沢栄一の生誕の地とあり、郷土の偉人を大事にしているようでほほえましかったですよ。
 新特急水上というので往復しましたけど、快適。グリーン車並のシートで、これなら在来線の旅も悪くないですね。旅費は会社持ちだから気にならないこともありますが(^^;


秦恒平氏著『湖の本 エッセイ19 中世と中世人(二)
   umi no hon 19
  1999.8.25 「湖(うみ)の本」版元発行 1900円

 日本ペンクラブの電子メディア対応研究会でお世話になっている秦座長よりいただきました。1979年に『ちくま少年図書館』に書き下ろした『日本史との出会い』の復刻版です。「少年」と銘打って中学生を対象に書かれていますが、なんのなんの、大人にとっても高度な内容です。
 私はどちらかというと世界史の方が好きで、日本史は年号の暗記程度しかしなかったのですが、この本を読んで、年号の暗記なぞなんの役にもたたないことを知りました。ある事件の周辺まで知らないと、歴史を正確に知ったことにはならない、歴史を正確に知らなければ現在を考えることに結びつかない、という秦さんのご指摘(村山意訳)は、ようやく最近になって判った気になっています。
 そう言われてみると、本の読み方もそうですね。ある作家の著名な一冊だけを読んでも、その作家を知ったことにはならない。周辺の駄作と言われるものまで読まないといけない。できれば、その作家の周辺の作家まで読んだ方が理解しやすい、と思っていますが、それに通じますね。
 中学生向けということもあってでしょうが、表現はやさしいです。ですから、私のような素人も入りやすい(^^; 中一の娘にも読ませることにしました。


いわたとしこ氏詩・岩田昭三郎氏写真『過ぎてゆく 日々へ』
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  1998.6.10 BeeBooks発行 1800円+税

 なんともうらやましい詩集です。詩人の奥さんが詩をつくり、ご亭主が写真を撮り、そうして出来あがったのがこの本です。写真詩集とも詩・写真集とも呼べますが、どう呼ぼうと夫婦で作った本ということで、ゴチソウサマですね(^^;
 ご主人は写真のセミ・プロのようですが、かなりな腕とお見受けしました。構図、狙いがはっきりしていて、特に「雪道」の写真はいいですね、って、ここは写真講座じゃなかった(^^;
 ひとつひとつの詩に、ひとつひとつの写真があるというのは、本当は難しいことだと思いますが、写真も詩も相手を考えなくてもいい距離にあって、成功していると思います。ご夫婦だからこそ、写真と詩との距離の取り方がスンナリいくんでしょうか。わが家ではこうはいかんな。お互い、我が強いからぶつかり合うことになるでしょう。
 横浜にお住まいのいわたさんだからでしょうが、横浜を詩った作品にいいものがあります。「海を恋う」という章の作品は、いずれも横浜に対する愛着が感じられます。私も横浜は好きな街ですから、楽しみながら拝見しました。



 
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