きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
ベニス'99夏 |
1999.9.11(土)
日本詩人クラブの9月例会がありました。実は一週間後の9/18にこの頁を作っていますので、記憶があやしい(^^;;
一色真理さんの講演がメインで、おもしろかったですよ。夢を詩にするという一色さんのお話しは、詩というものについて改めて考えさせられました。
「夢の解放区」というニフティ内のパティオは、余りにも有名なんですが、一色さんがそこでどんなことをおやりになっているのかは知りませんでした。今回の講演で、内容がある程度判ったのも収穫でした。「夢」を「解放」する場、という意味だったんですね。
会場風景
まあ、会場はこんな雰囲気で、一色さんの人気でしょうね、満員でした。そうそう講演を聴いていて思い出したんですが、犬も夢を見るようです。うちの犬は寝ながら唸ったり吠えたりすることがあります。脳を持つ動物はみんなそうなんでしょうか。
○中原道夫氏詩論集『いま一度詩の心を』
1999.8.28 詩画工房刊 2500円
日本詩人クラブでお世話になっている中原道夫さんからいただきました。私も中原さんと同じ総務担当常任理事として今年から働いていますので、いわば上司にあたります(^^;;
主として『詩と思想』、『柵』などにお書きになった詩論をまとめたものです。常日頃から中原さんに接していて、お考えはある程度判っているつもりだっのですが、こうやって纏まってみると迫力があります。いつもの中原さんのお話からは「詩人としてどう生きるのか」ということを言葉の端々から受け取っているのですが、この詩論集の核心はまさにそこでした。
いい詩人たちに恵まれたことが今日の中原さんをつくりあげたことも読み取れます。蔵原伸二郎、大江満雄などの先達詩人たちとの交流があって、そこから得たものはずいぶん多かったようです。「狐の詩人・蔵原伸二郎」、「貧乏紳士・大江満雄」という2つのエッセイは先達詩人を知る上でも、中原道夫という詩人を知る上でも重要なものだと思います。
○詩誌『』8号
東京都板橋区 中原道夫氏 発行
こちらも中原道夫さんからいただきました。本論に入る前に一言。「」っておかしいでしょう。「猗」にサンズイが付きます。表現できないのでGIFで貼りつけてあります。字はあるんです。私のパソコン本体には格納されていました。「Ward」では表現できます。しかし単語登録することや「Access」で使うことはできません。このFTPソフトにも使えません。
私のパソコンに格納されているのに自由に使えないというので、がっくりきています。おそらくUNICODEだと思います。電子メディアにおける漢字の扱いは不当なものです。10万字でも100万字でも文字コードをふってくれ!
ああ、富士を
じっと見上げていると
自分にも何か人のために
役立つような気がする。 (忍城春宣氏「富士を謳う」終連)
自分のような者でもなんとかして生きていたいと思う≠ニいうようなことを誰かが言っていましたね。誰だったかなあ? 太宰? 違うような気がするなあ。パッとそれを思い出しました。しかし、それとは違う視点ですね。前出は自分しか見ていないのに対して、忍城さんは富士を見ています。
最近あまりお会いしていませんが、日本詩人クラブや日本ペンクラブにお入りになったばかりの頃の忍城さんとは、何度か同席しています。彼は静岡県にお住まいで、私の実家と同じ地域なのです。そんな関係もあって親しくさせていただきました。
ですから、この作品の中で占める「富士」の意味が判るような気がします。忍城さんほど腹に据えて見ていませんでしたが、少年時代は富士山の麓で育ちました。日本一の山、ということよりも私は富士の稜線が好きです。きっぱりと空と山を分ける稜線に何度励まされたことか。「自分にも何か人のために/役立つような気がする。」というフレーズは、そのまま私にも当てはまるように思います。
その割には、なんの役にも立っていないなあ(^^;;
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