きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
ベニス'99夏 |
1999.9.25(土)
『山脈』の9月例会を横浜・野毛「今福」で行いました。「今福」での例会は3カ月ぶりだったし新同人の参加もあって、やっぱり気の合った仲間と気のおけない店で呑むのは最高だな、と思います。前日は仕事絡みで呑んで、あまりいい酔い方をしなかったので、余計にそう思いましたね。
『山脈』主幹の筧槇二さんです。どうです、この満足し切った顔。やっぱり呑むときは、こういう顔で呑みたいもんですなあ。仕事絡みじゃあ、金輪際呑まないゾ…そうもいかないか…ガクッ。
○畠山昭治氏著『親父さんの「あの日、あの時‥」18話』
1999.9 自家版 非売品
当日、「今福」ご主人からいただきました。「七回忌・畠山喜代治・追慕集」と副題のある家族史です。限定15部という貴重品をいただき、ありがたく拝見しました。
「今福」ご主人の父君・母君とご家族の記録ですが、日本の家族史とも言えるものです。良き時代の良き家族関係史としても残したいものです。
さて、我々五人の兄妹がそれぞれの家族を持ち子供
が出来、孫が出来、いずれ曾孫へと世代は変わるのは
当然です。自分の家族だけで目一杯になり親族への絆
が希薄にならぬよう努めたつもりでした。兄弟は他人
の始まりと嘯(うそぶ)いた論者に対抗する訳では有りま
せんが、少なくとも我々兄妹はそう思いたくはないし
そう思った事もありません。
私の友人や近所では遺産相続や舅・姑問題・等で家
族・一族の崩壊が多々見受けられますが、当畠山一族
は対岸の火事で済みそうです。父が我々に残してくれ
た何よりの財産は、努力・誠実・ボランティア精神の
DNA(遺伝子)でした。 (「終わりに」部分)
この後書きを読みながら、いつから日本の家族が崩壊していったのだろうか、と思います。バブル以前からですね。戦後すぐだったかもしれません。高度成長に入った昭和40年代のような気もします。金が全て、の世になってか家族崩壊が始まったように思えてなりません。
畠山家がその中で奇跡的に纏まっているのは、ご両親の影響が大きかったと知り、個人の力の大きさを改めて考えさせられます。もう一度、家族の復権を考えるべきでしょうね。
○個人誌『パープル』14号
川崎市宮前区 高村昌憲氏 発行
「アランのプロポ」という翻訳が連載されています。1900年代初頭に書かれたものの翻訳ですが、原題を見るとフランス語のようですから、アランという人もフランス人だと思われます。
「歴史学者は次のように言います。現在の家の屋根が尖っているのは祖先がそうしたからです。しかし、地理学者は次のように言います。現在の家の屋根が尖っているのはノルマンディ地方には雨が沢山降るからです。」(「キヅタの葉」部分)
一九〇九年一月二六日、とありますからほぼ一世紀前に書かれた文章ですね。歴史学、地理学の違いを言い得て妙です。まあ、そう単純には比較できるもんじゃないでしょうが、確かに歴史学には「祖先がそうしたからです」と言って済ましてしまうところがあるかもしれません。100年前の歴史学と現在の歴史学には、比べようもない進歩があったと思いますが、基本のところでは「祖先がそうしたからです」なのかなあ。気にはなっています。
歴史学とは違いますが、歴史認識という点では古い体質を感じる場合があります。以前、従軍慰安婦の問題で、ある国会議員が歴史の教科書には載せられない、と発言しているのをTVで見たことがあります。その議員は、子どもたちのおじいさんがそんなみっともないことしたなんて教えられるか、と言っていて唖然とした覚えがあります。
歴史学者の中にも、こんな発言をする人もいるんじゃないか、というのが私の疑いです。まあ、きちんと文献にあたっての発言ではないので「疑い」にとどめておきましょう。いずれにしろ100前と現在を考えるいい翻訳でした。
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