きょうはこんな日でしたごまめのはぎしり
akakukuri.jpg
新井克彦画「アカククリ」




2000.1.20(木)

 今日は私の勤務する会社の東京本社へ出張してきました。珍しく本社で会議がありましたので行ったわけなんですが、ふと考えて愕然としました。30年も同じ会社に勤めていて、なんと初めて行くんだ!
 まあ、工場採用ですから入社時も本社に行かず、現場ばかりを歩いてきましたから行く必要もなかっただけなんですが、1万人も社員がいればこんな奴もいるんでしょね(^^;; まあ、これからはなるべく行くようにしましょうか。
 で、行ってみてもうひとつ驚きました。会議があった場所は、実は本社の建屋ではなく、別のビル。本社の建屋だけでは収まらないんでしょうね。だから私は今だに本社ビルには入ったことがない、ということになりました。あぁ!


詩誌RIVIERE48号
riviere 48
2000.1.15 大阪府堺市
横田英子氏発行 500円

 紛失届け/横田英子

くつが無いと
女の子が訴えにきて以来
もう何足目だろう
毎日誰かのくつがなくなる

学校じゅう探しまわっても見つからない
うさぎ小屋にも
烏の巣の中にも無い
わんぱくグループの基地からも
スニーカーもデザインシューズも出てこない

くつの紛失だけでない
穴のあいた体をもてあましている子
耳をなくした子は
三階の窓から遠くを見ている
目が目でなくなった子は
廊下の隅で
さらに闇に首をつっこんでいる

口をなくしていくのは
世の中の風潮のようで
どこもかも
沈黙の旗が打ちたてられ
なびいている

この頃は何がなくなっても
訴えてくる子もいない
学校の時計は
早く一周したくて
時を裂いていく

まもなく冬が来る
運動場は沼のように
影ばかりためている

 いわゆる学級崩壊のことをうたっている作品だと思います。横田さんは確か小学校の先生ですから、大阪のある小学校の現状、と受けとっていいでしょう。私の娘はようやく小学校を卒業して、中1になっていますけど、こんなことは無かったんではないでしょうか。なにせ一学年16名という小規模校ですから…。
 学校教育の場には、児童・生徒という立場でしかいたことがありませんから、簡単には言えませんが、やはり人数の問題があるんではないかと思っています。社員教育を担当する立場にありますから、私の乏しい経験からもそれは言えると思っています。
 8人ほどの受講生を受け持った時は、それはそれは楽でした。ひとりひとりを注視できます。30人を受け持った時は、まったくの地獄でした。15人くらいは把握できますが、残りは無理です。教育効果という面では雲泥の差ですね。
 立派な社会人で、会社から給料をもらってやってくる受講生に対してですら、そんな風に思うのですから、小学生を相手に40名も教育するなど、私にはとてもマネができません。横田さんのご苦労が思われるというものです。
 人数の問題ばかりではないでしょう。地域の違いというのもあるかもしれません。私の住んでいるような小さな集落の、分校のような学校では、地域ぐるみで学校を見ていかないと経営が成り立たないようです。運動会ひとつをとっても地域の協力がなければ成立しないんです。小規模で地域性がある所の方が恵まれていると思っています。
 しかし、なんか難しい問題だなぁ、というのが正直な感想です。



 
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