きょうはこんな日でしたごまめのはぎしり
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新井克彦画「アカククリ」




2000.1.30(日)

 『詩と思想』の4月号原稿をようやく仕上げました。1/31締切だったんですが、さきほどEメールで送って、一応期日には間に合わせました。できれば郵送で期日までに、と毎回思っていますができたためしがありません。Eメールでも可、となっていますから、編集部に迷惑はかけていないと思うのですけど、切手を貼った封筒まで同封した執筆依頼書が来ているわけですから、本来は郵送がスジかなぁと思っています。
 Faxがうちに入ったときもそうでしたが、FaxやEメールですと直前でも、それこそ締切の数分前でも送付可能なわけですから、どうしても甘えが出てきますね。何か月も前から締切日は判っているんだから、もっと早く準備すればいいのに、と思いますが、なかなか。困ったものです。


鬼の会会報『鬼』333号
oni 333
2000.2.1 奈良県奈良市
鬼仙洞盧山・中村光行氏発行 非売品

 毎号連載の「鬼のしきたり」は200字程度の小文ながら、的を射た文で納得させられます。これだけの字数できちんと書くことはなかなかできるものではありません。今回は6編の文がありました。そのうちの1編を紹介します。

 眼の薬師さん
 聖武天皇の眼病平癒を祈り、光明皇后が建立した新薬師寺。本堂正面の本尊、高さ二メートルの木造薬師如来座像は、眼の薬師さんである。鐘堂脇の池で泳ぐ、鯉や亀には片目がない。薬師さんが参拝者の人々が困っている眼病を移してくれるとの信仰があるのだ。考えてみれば、勝手人間の仕業と申せよう。なかには身代わりとして、鯉や亀を放流する人もいるらしいから、多少は救われよう。

 たったこれだけの文章に、歴史と人間を凝縮させて、見事としか言いようがありません。中村光行さんは鬼の研究家としても知られ、歴史に造詣も深く、詩人でもあります。それらの基本があってこそ、こういう文章を書けるんだなぁと思います。
 それにしても「鯉や亀には片目がない」というのは、現代から見れば異常な状態ですね。今なら動物愛護協会が黙ってはいないでしょうし、動物虐待は犯罪になる法律も先ほどできたようです。
 中村さんはそんな事態を「勝手人間の仕業」と断じますが、一方、「多少は救われよう」と、あくまでも人間に対してあたたかく見ていらっしゃる。この辺の機微がうまく、まねをしたいところです。



 
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