きょうはこんな日でした ごまめのはぎしり
nasu
新井克彦画「茄子」




2000.10.23(月)

 月曜日から呑み会で、ちょっとキツかったですね。社内教育の教員仲間が異動して、送別会をやりました。呑み代は会社持ちで、なに呑んでもいいと言われましたから、生ビールを呑んだあとは「八海山」を頼んじゃいましたよ。「浦霞」もあったけど、やっぱり「八海山」の方が好みですからね。四合瓶で来たんで驚きましたが、まあ、誰か一緒に呑むだろうと思って、そのまま受け取りました。そしたら、誰も呑まない! ええ!俺だけかよ、と思いましたけど、余ったらキープできるからいいか、と一人で納得していました。
 通常は三合が限度です。樽酒で塩を舐めながらですと五合はいきますけど…。二合も呑めばいいところかな、なんて思いながら呑んでいると、あれあれ無くなっちゃった(^^;;
 体調悪いんだよなあ、俺。11月にはポリーブの摘出手術も受けるんだよなあ、なんてことは頭の中に少し入っていたんですけどね。酒呑みはホントにイジキタナイと思います。


季刊詩誌『裸人』10号
rajin 10
2000.10.10 千葉県佐原市
裸人の会・五喜田正巳氏発行 500円

 隣人の手紙/大石規子

集合住宅では
ピアノを弾いてはいけません 大声を出してはいけません
週末に来るお孫さんの騒音・振動は困ります
あなたがたは住む資格がありません
犬猫でも仕付ければ悪いことはしなくなりますのに----
手紙の主 隣人の熟年ご夫婦は
死んだように静かにお暮らしです

小さな子どもは飛びはねて生きるものです
ピアノも 一と月に一度ぐらいは叩きます
ハッピー・バースデイも歌います
静かにさせるには 兄弟や友だちと離して
TVのゲームかマンガ 塾に追いやるしかありません
高齢社会を担わなければならないのに
少子化も やむを得ないでしょう
近隣のコミュニケーション不足 建築構造の欠陥
子どもの居場所が狭められて 日本中が病気です

通りすがりの小道で クチナシが香り
それを覆うように夏蜜柑が色づいています
子どもは未来です と 返事を書こうか迷いますが
音を出すのは こちらですから きっと 沈黙
会えば 挨拶だけはします
週末の孫の来訪を避けさせ
歌えないカナリヤは ピアノに鍵をかけました

 作者の憤りがビンビン伝わってくる作品ですね。私には都会での生活経験がないので、よく理解できないところもありますが、そんなもんなんでしょうか。昔、子供は大嫌いというおばあさんが知り合いでいましたけど、確かに「死んだように静かにお暮らしで」した。
 で、私が作者の立場だったらどうするか考えてみました。やっぱり「きっと 沈黙」です。言うだけ溝は深まるし混乱するだけだろうなと思います。なんともやりきれない思いになるんでしょうね。しかし、それにしてもひどい手紙だなあ。「犬猫でも仕付ければ悪いことはしなくなりますのに----」なんて言われたら、頭にカッと血が上って怒鳴り込んで行くかもしれないなあ。作者はよく我慢できたと感心してしまいました。こうやって作品として書いたから「きっと 沈黙」という心境になったんでしょうね。


月刊詩誌『柵』167号
saku 167
2000.10.20 大阪府豊能郡能勢町
詩画工房・志賀英夫氏発行 600円

 枯葉を掻く音/小島禄琅

そう言ってはなんだが
むかしは風呂からあがると
若さの匂いが身辺にただよった
いまは年寄りの干からびた匂いが流れる
おなじ匂いは
使い馴れた茶碗にも乗り移っている模様だし
箸だってそうだ
いや
くしゃみだって あくびだって
ものを食べるひびきまでが
例外ではなさそうだ
これをむかしに還す術はない
気がついてみれば
肌を爬く音までが
そうではないか
あの弾力を感じさせた皮膚を爬く音が
いつか
枯葉を掻く音に変化した
だが
そのひびきが
妙に懐かしいのだ
晩年の父が発した音に
そっくりだからだ
それは人生の果ての
孤独さえも忘れたにんげんの
声に似ている

 私もこの感覚が判るような年齢になったようです。ここのところ身体のあちこちが痒くて困っています。老人になる準備だと言う人もいるんですが…。父はまだ生きていて「そのひびきが/妙に懐かしい」という感覚には至っていませんけど。
 この作品の鍵は最後の3行でしょうか。「孤独さえも忘れたにんげん」の解釈で微妙にニュアンスが違ってくるように思います。私は、卓越や超越という言葉でとらえてみました。それに「掻く」と「爬く」の違いもおもしろいですね。2〜3の辞書にあたって違いを明確にしようとしましたが、残念ながらだめでした。しかし爬虫類の「爬く」を肌や皮膚に使うのは的を射ているように思います。そんな細かな配慮もこの作品の魅力だと思います。


斉藤征義氏著『ほべつ銀河鉄道』
hobetu ginga tetudou
1998.12.28 第2刷 北海道苫小牧市
苫小牧民報社・とまみんブックレット1 700円

 1995年に穂別町で開催された日本詩人クラブ北海道大会でお世話になった、斉藤征義さんよりいただきました。今年の9月30日に立正大学で行われた「浅野晃・天と海忌」でも、久しぶりにお会いしています。
 この本は苫小牧民報に連載していた、穂別町と宮澤賢治に関するイベントなどのエッセイを中心にまとめたものです。穂別町にある賢治の「涙ぐむ眼」という花壇には私も行っており、なつかしくなりました。なぜ穂別と賢治なのか、という歴史的な背景も判ります。戦後、勇払に移住した浅野晃と当時の横山正明村長との出合いに由来しているようです。そんな時代背景も判って、穂別というよりは当時の日本の縮図を見る思いです。純粋に、これからの日本を造るんだ、という気魄をかんじさせます。
 松村彦次郎さんが「ほべつ銀河鉄道の夕べ」に出演したという文があり、びっくりしました。松村さんは日本詩人クラブや『山脈』のイベントにも出演してくれています。そんな知人の動きも判って、新鮮な驚きを覚えています。



 
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