きょうはこんな日でした【 ごまめのはぎしり 】 |
新井克彦画「ムラサメモンガラ」 |
2000.2.4(金)
日本詩人クラブの理事会に出席してきました。今回も議事がびっしりで、予定の2時間をフルに使って、少々頭痛がしてきました。
この頁でお知らせしたいことは二つ。
一つめは『日本現代詩選』第30集募集のこと。創立50周年記念事業の一環ですからね、奮ってご参加ください。詳細は日本詩人クラブのHP「会員・会友の皆さまへお知らせ」にあります。
二つめは同じく50周年記念の「日蘭文化交流400年記念・日本詩人クラブ東京大会」のプログラム原案が決まったことです。オランダ大使館の協力も得て10/14に池袋で行われます。こちらも楽しいイベントになるでしょうから、今のうちに予定に入れておいてくださいね。
○詩誌『馴鹿』24号 |
2000.1.15 栃木県宇都宮市 我妻洋氏発行 500円 |
宇都宮の大谷武さんよりいただきました。この詩誌の存在は知っていたのですが、ずーっとナレシカ≠ニ呼んでいました。トナカイ≠ネんですね。知らなかった。無学だなあ。
おもしろいので、ついでに辞書で調べたら英語では「Raindeer」。和訳では雨鹿≠フ方が合っているなあ、なんて、人様の詩誌のタイトルで遊ばせてもらってすみません、です。
拝見して、力のある詩人が多い詩誌だなと思いました。私は自分なりに気に入った個所に鉛筆で印をつけるのですが、例えば、
バスルームの壁一面に広がる鏡には
昨日を排泄するわたし。
蛇の脱皮に似ている (大谷武氏「梱包された「思春期」の断章]」部分)
ホテルのシングルルームでのことですが、私も大きな鏡を横目で見ながら座りますので、よく判る(^^;;
「蛇の脱皮」とは、よく言ったものです。
手持ちの鏡に映す伸びきった肢体の
それを支配する無計画な円。
中心に自己
半径を計り採る物差しは
過去でも未来でもないたった今。
やがて年老いて行くことなど
微塵も疑わず
幸福が不変なものだという
架空の神話を
背中に沁み付かせている。(大栗由紀子氏「三十歳の子供達」第2連)
これもよく判る。この前後の連が無くても立派に機能していますね。30歳もそうだけど、40歳になっても同じです。自分を考えたら、そう言い切っちゃいます。
補聴器を買ったのに
妻は付けようとしない
音が多すぎて疲れると言うのだ (和氣康之氏「失くしてしまった音」第1連)
これもいい。私は近眼なので、眼鏡をかけないと他人の顔がボヤけてしまいます。ですから、あまり眼鏡をかけない(^^;;
ぼんやり見えた方がきれいに見えて、想像する楽しみがあるんです。
詩ではありませんが我妻洋氏の「野呂邦暢について(四)」も、資料の紹介ですがいい文章です。芥川賞作家・野呂邦暢についての愛情が読み取れます。野呂は42歳で亡くなっているんですね。そんなに若かったとは知りませんでした。
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