ょうはこんな日でしたごまめのはぎしり
murasame mongara
新井克彦画「ムラサメモンガラ」




2000.2.5(土)

 第159回「螻(けら)の会」というのが飯田橋でありました。以前は山田今次さんを囲む会のようなものだったのですが、山田さん亡き後も続けようということになり、年6回、テーマを決めて集まっています。今回のテーマは原田道子詩集『カイロスの風』の批評です。

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             飯田橋「ジョンブル」にて

 私の詩集についても、こうやって批評会をやってもらったことがありますが、10名程度の小人数で、いいものですよ。何十人もおいでになる出版記念会ももちろん感激ですが、気の合った仲間内の批評会はまた別の面で刺激的です。
 『カイロスの風』は出版当初からセンセーショナルで、物議を醸している詩集です。例えばかぜ≠ヘか。ぜ。≠ニ分解されています。これには作者の意図はきちんとあるのですが、日本語の文節として風≠捉えた場合はどうなのか、などという批評が行われました。もちろんそこには結論など出るはずはなく、言い放しにはなりますが、討論され、検討され、酔ってる暇などありません(^^;;
 でもね、ドイツワインを楽しみながら、同じ詩についての討論ですから、ああ、この人はそんなふうに物事を見ているのか、と新しい発見もあってうれしかったですね。自分と違うモノの見方に出合うと、私は無性にうれしくなるタチなんです。楽しい一夜でした。



季刊『国鉄文芸人』66号
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2000.1.20 東京都千代田区
「国鉄文芸人」編集部発行 非売品

 「螻の会」で内田克巳さんよりいただきました。スキャナーがA4までしか撮れず、B4の本紙は半分にせざるを得ませんでした。ごめんなさい。
 旧国鉄はご存知のように現在はJRになっています。にもかかわらず国鉄≠フ名を冠するのはどういてだろうと疑問に思っていました。「国鉄文芸人」口上≠ニいうものを読んで疑問は氷解しました。旧国鉄出身文芸人(絵画を含む)の同人紙なんですね。いわばOBの同人紙。それじゃあJRなんて冠せませんね。国鉄時代の人たちの集まりなんだから、国鉄。納得です。
 文芸人≠ニあるように、内容は詩あり短歌あり俳句あり。個展の案内状もありで、まさに総合文芸の情報紙です。その中でおもしろかったのが松本剛氏の「田園の憂鬱」です。1958年3月の『交通道徳』40号からの転載のようで、ちょっと古いのですが商魂を感じさせる話です。
 松本氏が県の建売住宅が当って、引越しした時のことです。トラックから荷物を降ろそうとすると、どこからか4人の男たちが出てきて手伝ってくれたそうです。降ろし終わってヤレヤレと一息ついていると、その4人の男たちが次々と松本氏に名刺を差し出したそうです。新聞屋、牛乳屋、酒屋、風呂桶屋の人達だった、というのがオチです。
 そう言えば昔はそんなこともあったのかなあ。私の一家も何度も引越しをしたけど、そんな記憶はありません。借家、アパートばかりへの引越しだったから、鼻もひっかけてもらえなかったのかもしれませんね。ところでこの話、どうも横浜市港北区でのことのようです。それからすでに40年、今でも同じなのかどうか、興味のあるところです。



 
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