ょうはこんな日でしたごまめのはぎしり
murasame mongara
新井克彦画「ムラサメモンガラ」




2000.2.16(水)

 15、16日と福岡に出張していました。いつもは往復飛行機なんですが、今回は時間の余裕もあったので、行きは新幹線にしました。初めて「のぞみ」に乗りましたが、快適ですね。500系の「のぞみ」だったんですけど、静か。新幹線同士がすれ違う時は、「こだま」「ひかり」ですとかなりの風圧を感じますが、それがまったくありません。丸い形に由来しているのだろうと想像しています。
 同僚に言わせると700系の方がもっと静かだそうです。JR技術陣の力量に敬服しています。
 それに比べると帰りの飛行機は揺れたなあ。全国的な雪模様で、気流が乱れていたんでしょうが、どうも飛行機は好きになれない。仕事だからしょうがないけど、真剣にレスキューパラの持参を考えましたよ。昔、ハンググライダーやパラグライダーをやっていたときに、レスキューパラシュートというのを持っていました。腰に装着して、最悪の場合にはそれを開いて助かろう、というものです。高度50mほどあれば開きます。
 飛行機が墜落した場合には役に立たないけど、ハワイアン航空の事故のように天井が吹き飛んだ場合などは充分役立ちます。

 揺れる機内でつらつら考えました。鳥はどんなに大きくとも2mを越えません。気流というものはその程度の幅では安定なんだろうと思います。実際にハング・パラで飛んでみると判りますが、翼の左右で気流が違います。おおむね8mの幅の翼がないと人間一人の揚力は出ません。それは気流という自然の摂理に逆らうことになるのでしょう。鳥の大きさの限界は、その自然の摂理にかなうものなのではないでしょうか。
 8mでさえ気流の違いを感じるのですから、幅60mに近いジャンボ機などは、常に乱気流の中にいると言っても過言ではないでしょう。揚力を得るためにマッハ1に近い速度を出しますが、実は乱気流を突破する手段でもあるのかな、と思います。いずれにせよ自然の摂理に反する人工物は危険が伴うのは当然です。
 以前は自然と対峙することに喜びを感じて飛んでいましたが、今は考え方が変わりましたね。自然と対峙するには力が必要です。若ければ力は自ずとついて回りますが、今は失せたようです。これをトシ≠ニ呼びます(^^;;


詩誌『紙碑』190号
shihi 190
2000.1.31 東京都町田市
詩碑之会・木村和氏発行 500円

 宇宙花火/木村 和

宇宙を目に見えるかたちで
ギュッと縮めちまうとどうなるか
夜空いっぱい打上げ花火が
のべつまくなし弾けっ放しという図だろう
星があちこち生まれて死んで
にぎやかすぎて果てもない
その中に銀河系を見つけるのは至難のわざ
まして地球という名の星なんて……
その地球には仕掛け花火が盛りだくさん
原水爆をはじめとし
一億二千万個と言われる地雷など
ひとのいのちを食って弾ける花火ばかりだ
なんという愚かな生きものが
もてあまして始末におえない花火だらけ
見すぼらしく哀れでみじめな生きものが作った……
荘厳な宇宙花火大会を眺めてわれにかえると
花火大会に参加の資格もない地球はまだ
カタキを討ったり討たれたりの時代なのだ

 すごい発想ですね。「宇宙を目に見えるかたちで/ギュッと縮めちまう」というところがすごい。確かに、そうやって見ると花火大会だわな。こういう発想というのは大好きです。それに「カタキを討ったり討たれたりの時代なのだ」という見方も共感できます。宇宙的視野に立てば、まだまだそんな時代なんですね。
 『詩碑』の主宰者は伊藤賢三さんだとばっかり思っていたら、今号は木村和さんになっていました。理由は木村さんの「お二人を悼む」という文章で判りました。伊藤さんは昨年12月に亡くなっていたのです。その後を木村さんが引き継いだんですね。写真を見ると木村さんはまだお若い方のようです。伊藤さんに哀悼の意を表するとともに、新しい主宰者になって、ますます『詩碑』が発展することを望んでやみません。


戸張みち子氏随筆集『花こみち』
hana komichi
2000.1.18 東京都板橋区 待望社・秋光会発行 1500円

 戸張みち子さんの第四随筆集です。西岡光秋さんの跋「『花こみち』に寄せて」にもありますが、文章の達人です。それはこんな文章からも伺えます。

 雑木林が、なんとなくざわめく気配を感じるのは、新しい季節に備えて、樹々の芽が身支度をととのえ始めるせいであろうか。(「連翹」部分)

 思わず、ハッとさせられる文章ですね。春の気配を雑木林のざわめきで感じ、ざわめきの理由を樹々の芽の身支度ととらえるなど、凡人にはできないことです。随筆家ではありますが、本来詩人である戸張さんの、面目躍如たる文章だと思います。
 この随筆集はタイトルの通り、様々な花についての随筆です。私は植物は苦手で、名前はもちろん知らない花が多いですし、姿・形を想像できないものばかりです。しかし、こうやって随筆という形で提供されると、興味は湧きますね。少しは花の名前も覚えようか、という気になってきます。せめて一般常識程度にはなりたいものです。



 
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