きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
新井克彦画「茄子」 |
2000.8.12(土)
8/5から始まった夏休みも今日でオシマイ。本当は明日まであるんですが、日曜出勤を要請されています。充実した夏休みでしたよ。いただいた本が30冊ほど溜まっていたんですが、全部読んだ! このHPの日記も最大20日ほど遅れて書いていましたが、今日は正真正銘の今日(^^;;
うれしいですね。
○鬼の会会報『鬼』340号 |
2000.9.1
奈良県奈良市 鬼仙洞盧山・中村光行氏発行 年会費1万円 |
私の大好きな「鬼のしきたり」というコーナーにこんな話が載っていました。
洒落で動いた雷神
安政二年十月二日、江戸地震の代名詞に用いられる、安政の大地震が発生。このとき浅草観音の雷門が、ご他聞にもれず崩壊したのだ。そして風神・雷神が放り出されてしまった。風神はたやすく、もとに戻ったが、雷神の方は倒れたままで動かない。みんなが困っていると、一人の婆さんが近寄って簡単に抱き起こし、もとの場所に戻した。誰かと思ったら、浅草名物「雷おこし」の隠居である。
これはおかしいですね。思わず笑ってしまいました。いい洒落です。いつ頃できた話なんでしょうか。浅草寺はたまに行きますので調べてみようと思います。落語にもあるのかな? 咄を作ってもおもしろそうですね。
○個人詩誌『空想カフェ』4号 |
2000.7.29 東京都品川区 堀内みちこ氏発行 500円 |
堀内みちこさんがエッセイで「ワイン研究家 藤本義一さんへ」を書いています。昨年亡くなった藤本さんの追悼で、私も少なからず可愛がってもらっていましたから、胸に来るものがありました。お通夜の席も思い出します。いい人はいつも早くいなくなる…。
○詩誌『火皿』95号 |
2000.7.20
広島市安佐南区 火皿詩話会・福谷昭二氏発行 500円 |
白いノート/長津功三良
あばぁちゃん いやなことをきくかもしれませんが こたえてね
ええ せわぁ ないですよ なんなりと きいてつかぁさい
介護認定の判定のために 村の養護所の看護婦が来訪
リストに基づいて質問する
おばぁちゃん おなまえは なんていいますか
をかよ ながつをかよ
おとしは いくつになられますか
耳が遠いために 看護婦は 耳元で大声でわめいている
えーと きゅうじゅうなんぼぉじゃけぇ そうそう きゅうじゅうよん
もぉ きゅうじゅうよんになるけぇの
答えは 数え歳
おうまれはどこですか
ここ
かあさん あいたぁ いきみがわからよめにきたんじゃろうが
ながつでうまれたんじゃぁ あるまぁが
そぉじゃったかいの おお そぉじゃったいの
そこから 子供の頃の想い出話に脱線する
聞き手も 焦らずにこやかに聴いてやっている
いつも世話役が わめいて 叱ってばかりいるので
珍しく 若い同性の話し相手で 柔和な顔になっている
あれだけ しっかり者と言われた人間は どこにいったのか
しもの 世話も儘ならず 自覚もなく
ただ 食べることだけは 忘れない
脳細胞が 時間 と言う消しゴムで 少しずつ
消されていってるらしい
働くばかりで 生きてきて
趣味もない
そぉじゃったかいの
いや おぼえちょらん
わからん
ノートは
もう 大分 白くなっているらしい
白いノートにいろいろ書き込まれて、最後は消しゴムで消されて白くなっていく。脳細胞の生き死にをうまい言葉で表現していると思いました。方言、おそらく山口弁でしょうが、それもうまく効いていると思います。数えで94の「おばぁちゃん」は今、一番幸せなのかもしれませんね。
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