きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
新井克彦画「茄子」 |
2000.8.29(火)
まさかまさかの対巨人3連戦で、わが横浜ベイスターズは貯金2になりました。きょうはヤクルト戦。神奈川地元のTVKを観ています。あらあら、知らないうちに1点取られて…。小宮山、きょうはどうかな、最近、勝ってないもんね。
それにしても横浜は次々と新顔が出てきてうれしいですよ。打率トップの金城を始め田村、谷繁の代役を十二分にやっている相川と今シーズンはすごいと思います。巨人のように金にものを言わせて選手を集める、なんてのを見てるとすがすがしいですね。ん? 2点取られたあ!、おいおい、小宮山しっかりしろよお。
2冊の紹介を書いている間に、おぉっ、9回裏で2:2にこぎつけた。延長になったゾ。森中すごい、三者三振だ。あらあらテレビは終わっちゃった。ラジオは? 巨人-阪神ばっかりだなあ。しょうがない、あとでスポーツニュースを見ることにしましょう。うん、ニュースでは逆転で勝ったと言ってるゾ。やったね、貯金3だ。うん、いい夜(^^;;
○門林岩雄氏詩集『やぶにらみ動物記』 |
2000.8.9 京都府長岡京市 竹林館刊 2000円+税 |
化け物
みずたまりに日がさし
ぼうふらがわき
やがてそのぼうふらを食うやつがあらわれ
さらにまたそやつを食うやつがあらわれ
そやつらがうようようようよ
ごちゃごちゃごちゃごちゃ・・・・
この星はそんな化け物で
いっぱいだ
2行、3行という作品が多いなかで比較的長めの作品です。凝縮していくと詩は短くなるんだ、という見本のような詩集です。そうかと思うと25頁にも渡る「虹」という作品もあり、作者の短さ長さには必然性があるのが判ります。
さて、この作品ですが、確かに「この星はそんな化け物で/いっぱい」ですね。人間を頂点として他の生物を食べなければ生きていけないというのは、「化け物」の集まりと言っても過言ではありません。もし他の星に生物がいて、その星の生物を食べずに生きていけるとしたら、地球は恐ろしい星に映るでしょうね。そんな星に住んでいるということを改めて思い知らされました。
○詩とエッセイ誌『焔』55号 |
2000.8.15
横浜市西区 福田正夫詩の会・金子秀夫氏発行 1000円 |
帽子収集家の夢
----藤本義一氏へ----/黒田佳子
地下鉄電車を降りて 初めましてと脱いだ
金色の飾りロープに縁どられた カウボーイハット
ホームの雑踏に ジーンズの水色ズボンが鮮やかだった
褒められて笑う目尻の皺の向こうに
初夏の牧場が 緑濃く広がっていく
靴底厚いブーツに踏みしだかれる 潅木の音や
皮膚をかする薊の葉の ざらついた感触
見たこともない牛追いの気分も伝わってくる
長い間に収集した帽子の ひとつ一つ
丁寧に仕舞って取っておくものだから
仕方なく建て増しした家の中は
それでも まだ帽子だらけ
ステッキが欲しくなる山高帽
ホルンを吹きたくなるチロルハット
宙返りに鳴る道化師帽の鈴
集めた数ほど 風景が広がる 笑顔が変わる
けれどもう、帽子は夢を引き出さない
箱の中に畳まれて 永い眠りについたんだ
この作品の藤本義一さんはワイン研究家で、昨年10月に亡くなっています。「東京・横浜ワインサロン」というものを主催していて、何度もご一緒させてもらいました。帽子が好きな人で、「カウボーイハット」「チロルハット」などは私にも記憶があります。元気に司会をなさっていたお姿が浮かんできます。
この作品は鎮魂歌ですが、最後の1行がすごいと思います。「永い眠りについた」ではなく「永い眠りについたんだ」という言葉が作者の無念を表現していて、この「んだ」に圧倒されました。たった2つの文字で作者の感情を見事に表現しています。
それにしても惜しい人を亡くしました。教わることはたくさんありました。残念です。合掌。
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