きょうはこんな日でした ごまめのはぎしり
mongara kawahagi.jpg
新井克彦画「モンガラ カワハギ」




2001.1.6(土)

 自治会の役員会がありました。今回のトピックスは保険です。
 2月に恒例の河川美化作業があります。200名ほどの人が参加して、地域内の河川の草刈や土手の芝焼きをします。芝焼きはおもしろくて、好き勝手に火をつけてまわります。消防車が待機していて、火事の心配はないのでせいせいと火をつけるんです。普段やれないことですから、皆、おもしろがって火付けをして、楽しくて、楽しくて、、、地球環境上ではちょっと問題ですが(^^;;
 脱線しました。保険の話です。草刈にはガソリンエンジンの草刈機を40台使います。これがけっこう危ないんですね。刃が欠けて飛んで、人に衝たるという事故がたまにあります。幸い、私たちの自治会では発生していませんが、いざ事故となったら誰が補償をするのか、という問題が浮上しました。以前、自治会長が「○産保険」のパンフレットで調べたところでは200名に1日分の保険を掛けると約5万円。これではちょっと高いので、お前が調べろと言われてしまいました。
 嫌々(^^;; 保険会社にあたってみましたら、安いところは安いんですね、1/10の値段のところがありましたよ、って、一社しかあたりませんでしたけど。前出の保険会社の条件より良くて、なんと5千円! 驚きましたね。これなら特別予算を組まなくても出費できます。契約は組長会議というところの承認を得なければなりませんが、両社の比較を説明すればスンナリ通ると思います。良かった、良かった。
 ちなみにその保険会社は、私の勤務する会社が設立したもので「富○フイルム保険サービス」と言います。必要な方、紹介しますよ。一般向けにもやっていると思いますから。



詩誌ひょうたん14号
hyoutan 14
2000.12.1 東京都板橋区
ひょうたん倶楽部・相沢育男氏発行 400円

 柏木義高さんの辻征夫追悼詩「詩を書く前に書いた詩」がおもしろい。「詩を書く前に/辻さんは/靴を磨いたんだね/五足も六足も」の第1連から始まり、14連8頁に及ぶ長詩です。おもしろい≠ニ言っては語弊がありますが、辻さんと言う詩人をよく見て書いているなと思います。特に「靴を磨いた」ことについての注釈があり、次のようになっていました。
--------------------
* 辻さんが詩を書く前に本当に靴を磨いたかどうか、それはわからない。ただ、作品「ハイウェイの事故現場」の冒頭にそう書いてある。たぶん、ウソだと思う。辻さんがフィクションの名手だったからというわけではなく、「辻の嘘つきは、仲間内では有名だった」(清水哲男)からというわけでもなく、私は、辻さんには下駄履きが似合うと思うから。
--------------------
 辻征夫という詩人とは直接の面識はありません。数年前に横浜詩人会での講演で、聴衆のひとりとして見ていただけです。柏木さんの作品を拝見して、その時の様子が瞬時に甦りました。たしかに「詩を書く前に/靴を磨い」てもおかしくない人ですね。また、それがウソだと言われても納得してしまう人だと思います。柏木さんは直接の交流があった方のようですから、その辺のとらえかたには説得力があります。いい人を亡くしました。ご冥福をお祈りします。



季刊詩誌『詩と創造』35号
shi to sozo 35
2001.1.1 東京都東村山市
書肆青樹社・丸地守氏発行 非売品

 魚籠/竹内正企

はじめて魚を釣った子供の頃の
びくっ としたときめきは覚えている
釣りそこねた魚の びくっとした大物は
二度と釣れないことも、
魚を掴んだときの びくっと身を震わせた
感触も忘れはしない。
     
び く
釣った魚は魚籠に入れて安心するが
魚の気持なんぞ考えたこともない
空気に触れて 鰓呼吸も出来ず死んでいく
人間なら水中で溺死するに似ている
串に突刺して火あぶりされて
番茶で煮込むと 骨まで食える
美味しく食べることで 供養になる
と、手を合わせるご仁もいる。

はじめて魚を釣って びくっとしてから
もう六十年にもなる
いつ頃からか釣竿も糸も針もなく
びくっとする人魚を釣っては
解き放ってやることが愉しみになっている
うっかり怒らしたりすると
人魚は冥界に通じており
魚籠の中で心中させられてしまう
そんなことを考えると びくっとした。

 「びくっ」が多い作品ですが、あまり邪魔に感じない作品ですね。抑え方、置き方がうまいんでしょうか。「魚籠」まで加えると8回も出現しますけど、それほどには感じませんでした。一字空けたり、漢字になったりで変化があるから奏効しているのかもしれません。
 問題は「人魚」でしょうか。何の比喩か。奥さん、と真っ先に考えましたが、どうもそれだけではなさそうです。会社での採用、なんてことも想像してみました。ちょっと生々しくて違うなと思います。単純に女性と考えるのが正解でしょうか。2連目がシリアスなので違うかもしれません。いろいろ考えさせられて、でも楽しい作品だと思います。



 
   [ トップページ ]  [ 1月の部屋へ戻る ]