きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
新井克彦画「モンガラ カワハギ」 |
2001.2.14(水)
バレンタイン。男ばかりの職場に異動して、年々、義理チョコも来なくなって、今年はとうとうゼロだあ!と思っていましたら、昼休みに生命保険会社の女性にもらっちゃいました。もう十数年も前になりますか、まだマスコミも騒いでいなかったころに、どこかの雑誌の小さな記事を見た女の子がチョコをくれました。それから1〜2年でアッという間に広まってしまいました。時代の流れを感じます。
でも、チョコよりも酒がいいな。ワインでもいいから、どうせならそんな日を作ってもらいたいもんです。毎年、心待ちにするんですけどね。
○詩誌『地平線』29号 |
2001.1.30
東京都足立区 銀嶺舎・丸山勝久氏発行 600円 |
昨年2月に、正直に書けば、日本詩人クラブの物故詩人の経歴も調べている私には判りましたが、2月14日に72歳で亡くなった松下一郎さんの追悼特集号です。ちょうど今日で一周忌にあたります。巻頭に松下一郎さんの作品と丸山勝久さんの追悼文が載っていますので、それを紹介します。
聲/松下一郎
またいらっしゃい……ね
ボクは手をふる
またいらっしゃい……ね
どこかにゐるのぢゃないかしら?
ほら
聲がきこえてくるやうだ
ボクは外套(オーヴァー)の奥ふかく手をつっこんで……
おい、憂鬱さうに歩いてゐるね。
君は詩人の名を冠したあらゆる
権威、虚飾を峻拒し、家族にみと
られて、一人静かに旅立って行っ
た。一郎君よありがとう。そちら
で二人で語り合える時まで、もう
少し待っていてくれ給え
丸山 勝久
私は松下一郎という詩人のお名前を存じ上げているだけで、お会いしたことはおそらくないと思います。同人の追悼文を拝見すると、非常にシャイな方だったようです。作品にもそれが表れていると言っていでしょう。たぶん呑み屋さんの帰りなんでしょうか、「ボクは外套の奥ふかく手をつっこんで……」や「おい、憂鬱さうに歩いてゐるね。」というフレーズに、シャイな雰囲気を感じます。
それに、丸山さんの追悼文がいいですね。「そちらで二人で語り合える時まで、もう少し待っていてくれ給え」という文章に、男同士の深い愛情を感じます。一度、お会いしたかった方だとつくづく思いました。合掌。
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