きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
新井克彦画「モンガラ カワハギ」 |
2001.3.18(日)
自治会の総会がありました。最大のイベントは、時期役員の選挙です。私の自治会では、副会長が次期会長になることが恒例で決まっていますが、その他の役員は1年任期です。要するに私の任期は切れるということ! うれしいじゃありませんか。無事に義務も終了し、次期役員に引き継ぎができるというものです。選挙も無事に終了し、引き継ぐべき相手も決まりました。心おきなく退任できるというのは、ほんとうにうれしいことです。4月に開催される春祭りまでは義務として参加しますが、それ以降はまったくの無役になれます。もうひと踏ん張りです。
○詩誌『銀猫』7号 |
2001.3.10
群馬県前橋市 飯島章氏発行 400円 |
リュック/池田瑞輝
ある朝出掛ける前
ふと 思い出した
リュックに物を詰めるときは
重たいものが下になるように
順番に入れていくのがよいと
遠足の前の日だったか
身体の割りに
大きなリュックを抱きしめている
まだ 小学生だったぼくに
先生が教えてくれたことがあった
畳の上に
父母の老後
妹の進路
血に染まった地球や
神のバトン
実習船
なんかが転がっていたが
とりあえず
弁当を一番下に入れた
ばくさん
ぼくは政治家ではないので
註*血に染まった地球・神のバトン−『喪のある景色』 山之口獏
3連がおもしろいですね。山之口獏の詩篇をうまく使っていると思います。この時期に「実習船」という言葉は賛否のあるところでしょうが…。「重たいもの」の比喩としては獏さんの言葉と合っていますけどね。
4連もおもしろいし、意味深いと思います。「重たいもの」を考えるのが「政治家」の仕事ですが、そうはいっていない日本への反語としてもとらえられます。ちょっと考えすぎかもしれませんが…。
○月刊詩誌『柵』172号 |
2001.3.20
大阪府豊能郡能勢町 詩画工房・志賀英夫氏発行 600円 |
匠の話 −「木のいのち・木のこころ」−/平野秀哉
木って生きているんだよ 立木を伐っても呼吸している
んだよ ちゃんと伸びたり縮んだり 水を吸ったり吐い
たりするんだよ
家を建てようと思うなら山を買え 立木の通りの向きで
柱を立てよ 南を向いてる面は南に 北を向いてる面は
北に 木の環境と木の心を識ることが大切だ
木は寝かせて置く 乾かして木の癖を直し 建物に使わ
れることが移った木を使う 暴れる木は暴れさせてから
使う 木の癖を出し切ってから生かす
物つくりは執念で作る 大工・工作の技で作っては駄目
後でああすれば‥‥こうすれば‥‥の悔いが残る 不
満が残る
目と耳で受けとめられるうちは急いでもよいが 手と体
でやることは急いでは駄目 伽藍建築は体の記憶が大切
手と体で覚えたことは急いではできない
物を造ることは形に現れるので精一杯のことはやってお
くことが必要 次の代にうそ偽りの無いものを遺さなけ
ればならない
千三百年前の工人たちと対話できたから 法隆寺は甦っ
た うそ偽りの無い「本物」が伝えられたから歴史は甦
った
匠=法隆寺大工 西岡常一棟梁の愛弟子 鵤工舎舎主 小川三夫氏
2連目には驚きました。「家を建てようと思うなら山を買え」とは、すごい。私も木の家が好きで、2回も木の家を建てましたけど、山を買うまでにはいきませんでした。誰がそんなすごいことを、と思って読み進むと、法隆寺のことだったんですね。法隆寺なら納得です。
2連目、3連目は木の性質をうまく語っていて、いいですね。5連目、6連目はそれを仕事に結びつけて、そこも納得できます。急いでやった仕事にロクなものはない、というのは実感しています。木の話ですが、生き方そのものを教えてくれる作品だと思いました。
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