きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
新井克彦画「モンガラ カワハギ」 |
2001.4.4(水)
どうも調子が悪くて、15時で仕事を切り上げて帰宅しました。風邪のようですが花粉症だろうと言う人もいました。どっちでもいいけど、医者に行く気にはなれず寝ていました。下手な薬を使うより寝るのが一番、と思っています。
予感はあったんです。自治会、PTAの任期が切れた4月は危ないと思っています。忙しさから解放された途端に倒れるというのは、よく聞いていましたし、私にも経験があります。そうならないためには、今日のように調子が悪いなと思ったら、すぐに休むこと。ここで頑張っちゃうと、あとで1週間休み、なんてことになりかねません。それなら今日の2時間をムダにした方が正解です。長く生きていると、そんな計算も働くようになるんですね(^^;;
○鬼の会会報『鬼』347号 |
2001.5.1
奈良県奈良市 鬼仙洞盧山・中村光行氏発行 年会費10000円 |
酒には濁り酒、おり酒、清酒などがあります。もう時効だから書いてもいでしょうが、私の家が現在の福島県いわき市にあった頃、今から40年ほど前になりますけど、ドブロクを造っていました。小学生の私もちょっと呑んだ記憶があります。その頃、清酒があるのも知っていて、なぜ濁った酒と澄んだ酒があるのか判りませんでした。実は今でもよく判っていません。そんな長年の疑問が「鬼のしきたり」という連載コーナーで解決したんです。
濁り酒
酔えば栄え楽しむから、サケの名が生まれたとか。ともかく最初は生娘が、果実を噛み壷で発酵するのを待った。その場所が、三輪山周辺。清酒になるのは慶長時代で、それまでは濁り酒だった。懐石の利休型と称する漆塗りの木盃は、浅くて皿状。濁り酒には相応しいが、清酒ならこぼれそう。鴻池家の主人に叱責されたので、逐電前の下男が桶へカマドの灰を。翌日、濁り酒が清酒に変身した。
発明は失敗によって起きることがよくありますが、これもその一例なんでしょうね。「カマドの灰」はアルカリ性でしょうから、濁りの成分が凝集されて沈殿したものでしょう。その上澄みが清酒というわけでしょうか。なかなか化学的な話です。現在の清酒はどうやって造っているのか、毎年「三輪山周辺」の今西酒造に行って見学していますけど、はて、どうだったか? なにせ、呑むことに夢中になっていて、途中経過は覚えていません。これじゃあ落第だ。また来年も行って復習してこよう(^^;;
○詩誌『裳』72号 |
2001.2.28
群馬県前橋市 裳の会・曽根ヨシ氏発行 450円 |
支流/房内はるみ
川のどんな気まぐれだったのだろうか
本流からはずれ もどれなくなった小さな流れ
広瀬川 馬場川 風呂川
外堀あとの石畳を何百年もすすぎながら
小さな路地を胎内めぐりのように ぬっていく
軒下からもれてくる笑い声が
水面をゆるがし
上ノ手から下ノ手へ
ひとびとの声が はこばれていく
野菜や洗濯物をあらった川
カワガニをとった川
(まぶたのうらには いつも水のすがたがあって
すずしい時間が 川のようにながれていた)
くらしのなかをめぐりながら
いつしか 本流へかえる道も
海への夢も わすれてしまった
ビルの谷間のコンクリートの排水路で
水はきえた
おもかげばし
ささやきばし
面 影 橋 細 語 橋
ひびわれた欄干だけが流れのはやさをおぼえている
ながれない
川のにおいもわすれた夜
幼い日の対岸へ
私は橋をかけつづける
大河や山間の源流に目を向けるのではなく「支流」を題材にするとは、おもしろいですね。まず、その視点で得をしている作品だと思います。最終連で「幼い日の対岸へ」結びつけている点もうまいと言えますね。無難と言えば無難なんですが、作品のテーマから言えばいい落ち付き所でしょう。
川の名前、橋の名前が具体的に出てきます。それも作品に具体性を持たせる上で効果があると思います。私には知らない固有名詞ですけど、名前から歴史的な背景を想像できて、作品を身近に感じることができます。それにしても「風呂川」とはおもしろい名前ですね。どんな川なのか想像すると楽しくなってきます。
○詩誌『饗宴』27号 |
2001.4.1
札幌市中央区 林檎屋・瀬戸正昭氏発行 500円+税 |
三月/村田
譲
凍裂、----ひびきわたり
とざされた氷の時間のながさだけ
縛りあげられていた
はじけて精はしかし
こぼたれ密やかに
ぬくもりの地に果たす受肉
もぐりこむガラスの根毛から
はいあがる樹液、ふたたび
芽吹き
凍土つきあげる
たたみこんだ翼
「凍裂」「こぼたれ」「受肉」という三つの単語が判らず、三冊の辞書で調べてみましたが載っていませんでした。「凍裂」は、「三月」というタイトルから、凍ったものが溶けはじめて裂けていくさま、「こぼたれ」はこぼれる≠フ方言? 「受肉」は「ぬくもりの地」が受ける「精」の肉、かなと思います。そんな前提で鑑賞しましたので、作者の意図とはちょっとピントがズレたかもしれません。
いいなと思うのは最終連です。「たたみこんだ翼」というフレーズは、氷に閉ざされたモノが解放される比喩として最高ですね。今にも飛び出しそうな雰囲気が伝わってきます。私が物心ついて住んだ北海道は、たった1年だけでしたが、春への期待はよく判ります。これからの北海道は梅雨もなく、一番いい時期になります。それへの思いが「三月」というタイトルにもよく出ていると思いました。
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