きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
新井克彦画「モンガラ カワハギ」 |
2001.4.11(水)
東京都内・近郊の気の合った詩人仲間と新宿で呑んできました。歌舞伎町のロシアレストラン「スンガリー」という所に連れて行ってもらいましたが、落ち着いたいい店ですね。初めてロシアワインというものを呑みましたが、赤・白ともにいい味でした。気の合った仲間といい酒、やっぱり話もはずみますよね。
二次会は久しぶりにゴールデン街に行きました。「キッチンさわ」という店は記憶になかったんですが、亭主の顔を見たら思いだしましたよ。連れに一度行ってると言われて、ホントかな?と思っていたんですけど、連れの記憶の方が正解でしたね。
2軒ともいい店で良かった。新宿はあまり好きな街ではないんですけど、いい店が増えていけば、そんな偏見も崩れていくでしょう。
○詩誌『鳥』36号 |
2001.3.20
京都市右京区 洛西書院・土田英雄氏発行 300円 |
出勤/元原孝司
濁流は
阪急梅田駅に
なだれこむと
紀ノ国屋を飲み込み
阪急百貨店の
シューウインドーを
なめつくし
階段を
下へ
下へ
四ツ橋線
谷町線
御堂筋線
阪神電車へと
拡がり
長大なマンホールを
埋めつくして
階段を
上へ
上へ
地上にあふれだして
ビルをよじ登り
デスクの前で
おとなしくなる
非常にダイナミックな作品で、2年に一度訪れる大阪の街を思い出しています。「谷町線」「御堂筋線」は日本詩人クラブ関西大会のたびに乗っている線で、雰囲気はよく判ります。東京の混雑とは違ったパワーをいつも感じています。それがそのままストレートに作品に反映されていて、いやぁ、大阪だナという思いにとらわれました。
そして、終行が見事ですね。動に対する静が見事に決まっています。思わず「デスクの前で/おとなしくなる」に○印を付けてしまいましたよ。さすがは巻頭作品ですね。
○個人詩誌『点景』24号 |
2001.4
横浜市金沢区 卜部昭二氏発行 非売品 |
黒薔薇 −愛煙家のうたえる−
空虚 倦怠 焦慮 思索
忘却時にも忘れることなく
相棒を銜えきゅうきゅう吸ってやる
詢情な奴は身を焦がしぐんぐん迫まってくる
火の玉となって迫まってくる奴と
危険な接吻だけは避けたいので
慌ててクリスタルの屍体置場に安置する
それでも未練がましく
情念を燻ぶらせたりしているときは
周囲にも気配ばりし水葬にしてやる
長い相棒だった紫煙
到頭禁断の時がきておまえを手放したが
おまえは肺の辺りに形見の黒薔薇を
育てて置いたのか とげに刺され胸が痛むよ
おもしろい作品ですね。喫煙の経験のない人にはお判りいただけないと思いますが、「愛煙家」なんてこんなもんですよ。私も「相棒を銜えきゅうきゅう吸ってやる」し、「周囲にも気配ばりし水葬にしてやる」こともあります。それでもまだ「手放し」てはいないんですけど…。
私にも「肺の辺りに形見の黒薔薇」があるんでしょうね。まだまだ「とげに刺され胸が痛む」状態ではありませんが、いずれ我が身、肝に銘じておきます。
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