きょうはこんな日でした ごまめのはぎしり
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新井克彦画「モンガラ カワハギ」




2001.4.13(金)

 職場で花見に行ってきました。いつもは近くの公園でゴザを敷いて、というスタイルですが、今年は私が幹事ですから、そんなことはさせません(^^;; 観光バスを借りきって、1時間かけて御殿場高原ビールに行ってきました。隠れた名所なんです。ビールは呑み放題ですしね。
 今年は桜の開花が早くて、神奈川県小田原地方の桜はすでに散ってしまいました。でも、さすがは御殿場高原=Aなんとか大丈夫でしたね。

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 ちょっと葉桜になりかかっていましたけど、ご覧のように、桜です(^^;; モンゴル式のパオを借りて、いわば室内で呑んでいましたから、あまり外には出ませんでしたので、桜は結局、どうでもよかったんですけど、やっぱりあった方がいいよね。「いい桜だったよ」と職場の人に言われた時は、ホッとしました。企画が当ったということでしょうか、幹事第1回目のイベントは一応、成功でした。



詩誌『都大路』29号
miyako oji 29
2001.4.1 京都市伏見区
「都大路の会」末川茂氏発行 500円

 潮時/司 由衣

かねがね安価な車を買いたいと
望んでいたわたしに
二五万円そこそこでどうかと
顔見知りの人が云う
型式こそ古いが
黒のクラウン シートには白いレース
下取り価格が三五万円相当とか
それはお買い得だと
わたしの連れの男がしゃしゃり出て
その話を身内の甥に奨めて
案の定その甥は
手持ちの五五〇CCの軽自動車を売って
その金で買うと云う
年代もそこそこ新しく
燃料費も租税も割安
それを二五万円でどうかと
わたしの連れの男が云う
いずれの車もお買い得だが
連れの男がわたしに奨めたのは
甥の車で
これを潮時にわたしは
男の奨める車を買い
男を売った

 結局「わたし」は「甥」のために25万円を使ったことになり、「甥」は1円の身銭を切ることもなく「黒のクラウン」を手に入れたわけです。これでは「わたし」が怒るのは当たり前ですね。しかし、それを前面に出すことはなく、言われるままに「男の奨める車を買い」ました。そのかわり「これを潮時にわたしは」「男を売った」わけですね。
 「わたし」のしたたかさを感じます。表面的にはおとなしい顔をして、その内面では男とは潮時にしようという強い決意があることがこの作品のおもしろいところです。観点を変えると、「連れの男」が「わたし」の性格的な弱さをつかんでいて、そこに付け込んでいるようにも読み取れて、おもしろかったですね。「二五万円そこそこ」「年代もそこそこ新しく」という、物事をアバウトにとらえる弱さを「連れの男」は知っているんでしょうか。
 しかし、「わたし」は「男を売」ってしまうほどの強さも持っている。それを男は知らない。そんな男と女のかけひきも見えて、思わずニヤリとしてしまい、楽しく拝見しました。



 
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