きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
新井克彦画「モンガラ カワハギ」 |
2001.5.14(月)
5月13日〜14日、福島県へ一泊旅行に行ってきました。旧自治会役員の慰安旅行です。私の居住する地域では恒例になっているようで、月曜休暇もなんとか取れたこともあって、行ってみました。喜多方・「会洲一」蔵元・会津武家屋敷が一日目、飯盛山・鶴ケ城・世界ガラス館・五色沼が二日目と、なかなかハードなスケジュールでしたけど楽しめました。一行21名は気心の知れた人たちばかりでしたし、何より私の先祖に関係する土地、というのが楽しくさせた理由です。
私の父方の先祖は、福島県いわき市にあった平藩の下級武士です。馬廻役だったそうですから、たいした地位ではなかったんでしょう。平藩は会津藩の支藩で、会津はいわば宗主にあたります。戊辰戦争で平藩は真っ先に破れた口です。その辺のことは早乙女貢さんの『会津士魂』に詳しく、私も先祖の立場をその小説で知ったほどです。そんな会津武家屋敷や鶴ケ城の見学でした。
会津磐梯山と五色沼 |
二日ともいい天気で、14日は30度を超えたほどです。写真は最後に訪れた五色沼ですが、磐梯山もきれいに見えていました。この日をもって自治会役員としての行事は、すべて終わりました。それもあって楽しかったのかな。東山温泉も良かったし、のんびり湯につかって、いい休日を過ごしました。
○詩誌『木偶』46号 |
2001.5.10
東京都小金井市 木偶の会・増田幸太郎氏発行 300円 |
風を/中上哲夫
雲が流れるのを見ているのではない
梢がゆれるのを見ているのではない
木の葉が舞うのを見ているのではない
くもの糸がふるえるのを見ているのではない
草がなびくのを見ているのではない
綿毛が漂うのを見ているのではない
あなたの髪がそよぐのを見ているのではない
風をみているのだ
-------二〇〇一・四・三
さすがは中上さん。最初は何を書いているのかと思いましたが、最後の一行ですべて判りましたね。それも「見ている」と続いてきたのに、最後の一行だけは「みている」になっています。芸が細かいと言わざるを得ません。「のを見ているのではない」という同じ言葉が7回続きますけど、これも計算されています。試しに「のを見ているのではない」を取って、「雲が流れる/梢がゆれる/木の葉が舞う…」とやってみましたけど、平板になってしまいます。同じ言葉を続けることによって、その平板さを避けているのだということが判りました。
そういう技術的なこともさることながら、頭に何を持ってくるかによっても作品は大きく違ってくるのではないかと思いました。「あなたの髪がそよぐ」がなければ、あとはすべて自然現象を述べているだけですから、人肌の感触が薄くなるでしょう。「あなたの髪がそよぐ」という言葉があることによって、3品に人間味が出てくるのだと思います。短い詩ですが、教えられることの多い作品です。
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