きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
新井克彦画「モンガラ カワハギ」 |
2001.7.14(土)
午後から日本詩人クラブの例会がありますので、午前中は足を延ばして東浦和まで行ってきました。このHPにもリンクしていただいている萌木碧水さんの「第1回写真展」があったのです。萌木さんにメールを入れたところ、ご本人もおいでになるとのことでしたので、6月の詩人クラブ千葉大会以来の再会も果たしました。
写真は会場にて。写真の腕もなかなかのものだと思います。私の写真眼は、製造業としてはプロですが写真家としてはド素人の部類だと自認しますので、評価に責任は持てませんが(^^;;
萌木さんのHPにもアップしてありますが、千葉県の写真展で入選していますから、私の評価もまあ、当っているでしょう。この若さで詩も写真もやるということですから、将来が楽しみです。
萌木さんは、私の推薦で今月から日本詩人クラブ会友になってもらいました。で、その後はそのまま神楽坂にお連れして、例会に出てもらいました。時間の関係で残念ながら「養老乃滝」の二次会には出てもらえませんでしたが、天彦会長の講演には好評を得たようです。でも、良さは二次会にもあるから、良さの半分しか知ってもらえなかったことになりますね。皆さんの酔っ払いぶりを見てもらわなくちゃ(^^;;
写真は二次会にて。美女に囲まれた私のうれしそうな顔を見てください。いつもは、こうはいきませんけどね。なぜか今夜はモテました。撮影は二瓶徹氏。二瓶さん、アリガト!
この後は飯田橋に行って、いつもの蕎麦屋「翁庵」で筧さんを囲んで蕎麦焼酎を呑んで、さらに女性3人に拉致されて新宿ゴールデン街「輪らじ」で呑みました。新宿では何を呑んだか、覚えてません(^^;;
結局、最終の新幹線になってしまいました。でも、いい一日だったなあ。
○水木佑氏詩集『タペストリー』 |
2001.8.1
東京都新宿区 土曜美術社出版販売刊 2000円+税 |
ささやかな抗議
あなたに逢った日
幸せですか
と 聞かなかった
とても幸せだよ
と 言う返事を聞きたくないから
すっきりとした身なり
痩せすぎてもなく 太りすぎてもない
今の幸福度がわかる
あなたが不幸で惨めなのもいやだけれど
一〇〇パーセント幸せなのもいやなの
それなのにわたしは
左手の薬指にキラキラのダイヤの指輪し
幸せそうに静かに微笑みながら
あなたの前で珈琲を飲むの
わたしを獲り逃がした
あなたへの精一杯の抗議
初恋の人に30数年ぶりに逢って、コーヒーを飲んでいるという設定です。女性の眼は怖いなと思いました。「痩せすぎてもなく 太りすぎてもない/今の幸福度がわかる」というフレーズに、思わず自分の身体を眺めてしまいました。そして「一〇〇パーセント幸せなのもいやなの」というフレーズでは、女性の複雑な心理を知らされましたね。まあ、「一〇〇パーセント幸せ」なんてことは無いから、無理な注文ではないと思いますがね。
圧巻はやはり最終連です。男の立場からは逆も言ってやりたいけど、まあ、負けるでしょう。私も同窓会で初恋の人に会うことはあります。でも、みんなと一緒に酒呑んでオシマイ。二人だけでコーヒーを飲みに行くなんてことはありませんでした。その面ではうらやましいのですが、やはり「ささやかな抗議」をされたんではタマラナイだろうな、と思います。
詩集は紹介した作品がある「T
みずのゆくえ」、「U たしかな明日」、「V
押し花」の3部構成です。U、Vも決して悪くはないのですが、やはりTが素晴らしい。女性の、本当の気持を知らされた思いです。
○詩誌『理科実験室』創刊号 |
2001.6.10 埼玉県戸田市 阿蘇豊氏発行 100円 |
阿蘇さんが3人のお仲間と詩誌(と呼んでいいのかどうか?)を始めました。CGも入っているという斬新なものです。本のタイトルは『理科第一実験室』で、今号は「のむと号・創刊」号というのが正しいのかもしれません。奥付には『理科実験室』とありましたので、それが本来の詩誌名と判断しました。ですから、次号は『理科第二実験室』になるのかあ(^^;;
「おかえり」/阿蘇 豊
ぶよぶよをカミソリでそぎ
わずかのかけらを砂に押し込んで
日記から削除した
百日を過ぎて
起きぬけの目を射る
キューティーカクタス
茎と葉のデザイナーを従えて
(毒はすべて吐き出したか
(おれだよ、おれ、わかるか
百日分の沈黙を
弓のようにふりしぼり
氷河の気泡がはじけるように
「タ・ダ・イ・マ」
さて、どう解釈したものか。阿蘇さんのことだから、これは絶対に二日酔いの話だな。でも待てよ、百日か、二日酔いが百日というのは長いな(阿蘇さんなら有り得るか?)。「ぶよぶよ」と言っているんだから、彼のあの腹のことか?(^^;;
「日記から削除した」んだから、違うかな? 自分の分身のような日記からも抹殺したいほど、自分の腹を嫌がっているのかな?
なんて、想像は果てしもなく広がっていくのですが、まあ、違うでしょう。おそらく詩作のことを言っているんだと思います。なかなか思うようにミューズが現れないことを言っているように思います。だから「タ・ダ・イ・マ」と「おかえり」。でも、たった百日なのか、オレなんか半年も来ないゼ、と言いたいですね。半年に一度しか発表の場が無いからなんですが、それでもミューズは毎回来るとは限らないんです。
さて、どちらの解釈が正しいのか。案外、前者の方が合っていたりするかもしれません。正解は、前者・後者とも× でしょうね(^^;;
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