きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
新井克彦画「モンガラ カワハギ」 |
2001.8.16(木)
この5月より日本詩人クラブの広報(「詩界」「詩界通信」)の担当になって、寄贈本への対応をちょっと変更しています。担当になる前は、すべて私個人宛のものでしたから、拝見し、感想(にもなっていませんけど)をHPに書いて紹介し、Eメールで返信しています。Eメールをお使いにならない方には、HPの内容をプリントアウトして、礼状を添えて郵送しています。
ところが、担当になってからは「詩界通信編集部御中」という寄贈本が多くなりました。「詩界通信」に詩誌・詩書の情報は詩界通信編集部へ、と書かれていますから当然なんです。当初はそれらもすべてHPに、と思いましたけど、やめました。贈ってくれる方は村山という個人に対してではなく、広報担当という役職に対して送ってくれるわけですから、それを勝手に個人として対応するのは筋違いと考えた次第です。
もちろん役職に対して贈ってくれた方でも「感想を」と書かれていれば、個人に対しても送ってくれていると解釈してHPで紹介しています。また、以前から贈ってくれている方が役職宛に送ってきても、今までのおつき合いの延長上と考えて、これも紹介しています。
まあ、ちょっと考え過ぎかもしれませんけど、一応そういうケジメをつけています。せっかく贈ったのに何の返信もない、とお思いの方は以上の点をご理解ください。本来の返信は「詩界通信」に寄贈本を記載することだと思っています。
○詩誌『スポリア』9号 |
2001.7.30
愛知県知多郡武豊町 スポリアの会・坂口優子氏発行 非売品 |
美化運動/長谷賢一
街角のプランターに 花がある
芽も葉も根もない花
少ししぼめば 美化委員に間引きされ
少し色が違えば 花びらを奪われ
あなたの信じる花はどこに咲くのですか
花だって命だからって許してくれない
花でなくなったらすべてを排除し
明日 街角のプランターには荒土しかない
街角にタンポポが咲く
コンクリートのプランターを
突き破って行こうとする
美化委員はふみつける ふみつける
お前は花じゃない 雑念草だ
いつも花でいろって
美化委員の鼻息に 白い綿毛が飛ぶ
綿毛に乗って 夕陽の種が
空一面に浮遊して
ああなんて美しいんだろうと
俺は思う
意外な盲点を突かれたな、という思いです。児童・生徒の頃に「美化委員」をやった記憶はありません。でも、自治会では年に2回の「美化清掃デー」というのがあって、これには毎回参加しています。空缶やゴミ屑を拾うのが主なんですが、たまには草刈もやります。もちろん「タンポポ」も刈りとってしまいます。この作品では「コンクリートのプランターを/突き破って行こうとする」タンポポですけど、刈り取る私たちの意識は「お前は花じゃない 雑念草だ」というものに違いありません。
「あなたの信じる花は」花屋さんで売っていたり、花畑にあったり染井吉野だけなのかもしれませんね。私自身の日頃の行動も含めて考えさせられる作品です。
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