きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
「クモガクレ」Calumia godeffroyi カワアナゴ科 |
2002.2.10(日)
毎年、この日は奈良に泊って、次の日に蔵元でお酒を呑むというのが恒例なんですけど、今年はやめました。10日〜11日にかけて徹夜の仕事が入りそうだったからです。結果的には11日の夜だけで済みそうになりましたけど…。
で、本日の日中は自治会の美化作業に行ってきました。これも毎年恒例で、河川の柴焼きが出来るんです。公然と火を着けて回れるんですから、おもしろい。寒い時期ですからね、焚火感覚で焼いて回ります。地球温暖化の上では禁止されるべきなんでしょうが、県条例でも例外として認められています。
○鬼の会会報『鬼』356号 |
2002.3.1 奈良県奈良市 鬼仙洞盧山・中村光行氏発行 年会費8000円 |
サバを読むの語源
数のごまかしを、サバを読むと申して語源は多くの説ありです。売るときに、ごまかした説。昔は重さでなく数で売り、市場では独特の節の早口で売りました。また、腐りやすいので早く売る必要ありで、いいかげんな売り方をし、刺しサバは二枚重ねを一枚で売ったのです。鮨屋は客に握るたびに飯粒を並べますが、飯粒は生飯(さば)と称し、仏前に捧げる飯も散飯(さば)で、量少なしです。
魚の鯖が語源だろうとは想像していましたが、鮨屋の飯粒、仏前のご飯も説のうちとは知りませんでした。鮨屋の「生飯(さば)」を読むというのはきれいで、情景が浮かんできますね。でも、仏前のご飯茶碗はなぜ小さいんでしょう? 新たな疑問が湧いてきました。
○詩誌『スポリア』10号 |
2002.1.30 愛知県知多郡武豊町 坂口優子氏発行 非売品 |
冬の樹/長谷賢一
落ち葉の重なり合う音に
目が覚め 窓を開けると
北風が入ってきて
ハンガーのコートが揺れる
人々がコートを着ようとする明日
夜中の樹は なぜ裸になっていくのか
部屋に舞いこんできた落ち葉
手に取ると あの声が聴こえる
固い樹皮の奥で 芽生えた貴方からの手紙
樹は 冬から逃げることなく
根で大地をしっかり掴み
その細い枝で自らを感じようとしている
「落ち葉の重なり合う音」という第1連目のフレーズで、すごい感受性だなと思いました。そして最終連の「その細い枝で自らを感じようとしている」というフレーズも感覚的でいいなと思います。第2連の「なぜ裸になっていくのか」の答は「固い樹皮の奥で 芽生えた貴方からの手紙」で良いのかもしれません。感覚的であるとともに構成も繊細な作品ち言えましょう。
○詩誌『光芒』48号 |
2001.12.22 千葉県茂原市 斎藤正敏氏発行 700円 |
チップス/中村節子
パリッと新鮮ポテトチップスの袋
本物そっくりの写真が貼ってある
振ってみれば
ザワッザワッ
開けて見れば
写真そっくりのポテトチップス
並列した机と椅子
黒板の前に一つ逆らって高めの机と椅子
チャイムが鳴って生徒が着席しそこへ先生
礼!
絵に書いたような教室
学校という袋に印刷してある授業風景
振ってみれば
ザワッザワッ
薄くスライスした
パリッと新鮮な中学生
と思いきや
乾燥剤が破けて噛んでも割れない
チーズ味カレー味ノリ味にシオ味
好みを強制しない自由な選択
湿気の多い校風
卒業写真は修正できるから
「ポテトチップス」と「学校」とをうまくダブらせた作品かな、と思って読み進みましたら違っていました。「湿気の多い校風」へ持っていったんですね。その展開はさすがに巧みです。最終連の「卒業写真は修正できるから」というフレーズの取り方は難しいと思います。年月が経つと「湿気の多い校風」も「パリッと新鮮な中学生」だったと、良いことのみが残る人間の認識を言っているととらえました。何十年ぶりかの同窓会なんて、嫌なことはきれいさっぱり忘れていますからね。
○二瓶徹氏詩集『ゴロニャーゴ』 大宮詩人会叢書第四期(16) |
2002.1.20 埼玉県さいたま市 大宮詩人会叢書刊行会刊 1300円 |
世の中の 意地の汚い
悪いやつらを懲らしめて
酒盛りじゃ 酒盛りじゃ
意地の汚い 腹黒い
悪いやつらを懲らしめて
酒盛りじゃ 酒盛りじゃ
正直な 働き者の上に
福をもたらせ 大地の稔り
毒と薬は使いよう----
怒りと優しさも
これまた 人の使いよう
極悪は追い詰めろ
許しちやならねえ
極悪は追い詰めろ----
(「鬼は内 猫は内 福は何処」部分)
正義感あふれる作品だと思います。猫を擬人化した作品が多い中で、紹介した作品の部分も猫が主体になっています。タイトルがおもしろいと思いました。詩≠ニいうよりも歌詞≠ニ呼んだ方が良いかもしれません。著者は歌曲の「新・波の会」の会員でもありますから、文字で読むより聞く作品ととらえるとよいでしょう。
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