きょうはこんな日でした ごまめのはぎしり
kumogakure
「クモガクレ」Calumia godeffroyi カワアナゴ科


2002.4.12(
)

 職場の花見が行われました。花はとっくに無くなって、立派な^_^;葉桜になっているし、雨は降っているし、どうして?とお思いになるかもしれませんが、大丈夫。御殿場高原ビール園という地ビール園があって、そこまでは貸切バス、着いてからはモンゴル式のパオの中なんです。バスから降りてパオまでの100mほどが花見、という按配です。まあ、去年、私が幹事でやったイベントの二番煎じですけど。
 案の定、立派な葉桜になっていました。どっちにしろ、桜なんてどうでも良くて、ビール呑み放題が魅力なんです。そちらの目的は充分に達成されました。でもね、桜! もう少し残ってろ! と言ってやりたくはなりましたね。



赤木三郎氏詩片・山本萌氏写真集『億年の窓』
okunen no mado
2002.5.1 埼玉県所沢市 書肆夢ゝ発行 1700円

 山本萌さんの写真に赤木三郎さんの詩が添えられている詩写真集です。しかし、あとがきの中で赤木さんは「こうしたものに、ほんらい、ことばはいらないものだけれども、無謀にもおなじページに添わせていただいた」と語り、山本さんは「写真のために書かれた詩はなく、詩に合わせようと写真を撮ったこともない。億年の窓のむこうで遭遇した」と書きます。そんな作品の中の一編を紹介しましょう。

 死ぬときまで 休みはないのかな ゴングが鳴って
 倒れちゃいけないファイトだぞって
 他人は叫ぶ けれども立ちあがるのは
 いつもこのおれ
 旅立ちはどこからですか あなた うなされてとびおきてドアを蹴りとばす
 別の リングに 裸でとび込む
 ゴングが鳴って 倒れちゃいけないファイト
 だぞって他人は叫ぶ けれども
 立ちあがるのは いつも

 丸太の表面を削り取ったようなものを写した写真に添えられている作品です。「まるい空」という章に載っていました。写真と関連を探してもいいし、無関係と受け取ってもよいかもしれません。削られた跡がリングのように見えなくはないですね。
 詩編だけ鑑賞してもおもしろいと思います。「立ちあがるのは/いつもこのおれ」というのは実感します。ボクシングのトレーナーなどは別としても、観客のほとんどはリングになど立ったことはなく、「倒れちゃいけないファイト」と叫ぶだけなんですね。オレの仕事、やったことがあるのかヨ、と思わず上司に言ってやりたくなるフレーズです。
 「旅立ちはどこからですか」「別の リングに 裸でとび込む」といフレーズはちょっと難しいように思いますが、読者が自由に受けとめればよいのかもしれません。写真だけ、詩だけでも楽しめるし、双方を比べて好き勝手に鑑賞してよい詩写真集だと思います。



季刊・詩と童謡『ぎんなん』40号
ginnan 40
2002.4.1 大阪府豊中市 島田陽子氏発行 400円

 病/寓里小路 百合(15歳)

最近体が痛い
病がどんどん進行している
彼らももとは 私から生まれたもの
初めはその中のほんの少しが
そしてだんだんと
今はもう 体のあちこちに
私にはもう 止められない.
体が熱い
私はまだ 死ぬわけにはいかない
少しでも 元気な所がある限り
だれか だれか
教えて下さい
人間という名の 病の直し方を

 あらあら、この人はひどい病気になっていのかな、と思ったら「人間という名の 病」だったんですね。それはひどい病気ですね。おそらく一生治らないでしょう。地球にとっての人間は癌のようなものだから、人間は絶滅した方が良いのかもしれません。でも「私はまだ 死ぬわけにはいかない」とはっきり宣言していますから、何とか治し方を考えなければならないでしょう。
 人間を最上位に置かないこと、できるだけ自然界への負担を低減する生き方をすること、などなど処方箋は考えられるかもしれません。しかし、そんなことを書きながらプカァと煙草を吹かしていると、エラそうに言える立場ではないなと思います。毒された私たち大人には語る資格はありません。自然界に与えた影響が少ない若い人たちに処方箋を書いてもらった方が良さそうです。反面教師はいっぱいいますからね。



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