きょうはこんな日でした ごまめのはぎしり
kumogakure
「クモガクレ」Calumia godeffroyi カワアナゴ科


2002.8.1(
)

 今年一番の暑さだったようです。よりによってそんな日に外回りの仕事をしていました。現場責任者に案内してもらって外の設備を見ていると、突然の携帯電話(電話っていつも突然なんですけど)。日本詩人クラブの会員からでした。そう言えば今日は詩書画展の作品搬入日でした。私は仕事を休めなかったので、3日に持って行くことにしていましたけど、皆さんは搬入していたようです。
 電話は、搬入の世話をしてくれる人が何人か来ていないので電話番号を教えてくれというもの。会員名簿をいつも持ち歩っているわけではありませんが、個人データをPDAに移してあります。それを見れば済むことですから折り返し電話しました。

 以前はパソコンを持ち歩いていましたけど、PDAに代えてずい分楽になりましたね。一時はHPの裏にデータを隠すことも考えましたが、安全性にどうしても不安があるので止めました。こういう個人データはオンラインに載せないことが肝要だと思うようになっています。住基ネットなんて、そういう意味からもとんでもないことだと思います。



沼津の文化を語る会会報『沼声』266号
syosei 266
2002.8.1 静岡県沼津市 望月良夫氏発行 年間購読料5000円

 今号の巻頭言は駐日米国大使ハワード・H・ベーカー・Jr.氏でした。日米の詩について言及し、なかなか見識の高い人だなと思いました。米国初の桂冠詩人、ロバート・ペン・ウォレンの紹介をし、日米語で作品を載せてありました。

 Encountered Late at Night When Driving Home From Party in the Back Country

I must try to tell you what,in July,in Louisiana,
Night is. No moon,but stars whitely outrageous in
Blackness of velvet,the long lane ahead
Whiter than snow,wheels soundless in deep dust,dust
Pluming whitely behind,and ahead all
The laneside hedges and weed-growth
Long since powdered whiter than star-dust,or frost,but air
Hot.The night pants hot like a dog,it breathes
Off the blossoming bayou like the expensive whiff
Of floral tributes at a gangster’s funeral...


 僻地のパーティーから車で帰宅するとき、出会った夜更け

話してあげよう、7月、ルイジアナの、
夜が。どんなものかを。
月はないが、星はビロ−ドの黒さのなかで白く荒々しい
前方の長い路は雪より白く
深い塵の中車輪は音を立てず
塵は白く後方にたちのぼり、
前方にはずっと道端の垣根と草が長く伸び
星屑か霜よりも白い粉をかぶり
空気はしかし暑い
夜、暑く犬のようにあえぎ、息を切らし
花咲く入り江で高価な香りがする
元悪の葬儀の献花のように一吹き

 この作品について「私は、最後の行で驚かされるのが好きです。これは俳句の季語として使われる薫風と同じ、夏の描写である香る微風の見事な意外性です。」と書き、さらに「世界は変化し続けており、日米関係は世界経済の発展、大量破壊兵器の脅威、テロとの戦いのような困難な課題にも取り組まなけれIまなりませんが、詩がもたらす思索と理解の重要性を忘れないようにしなければなりません。それは、どこでも人間の文化の一部なのです。」と続けていました。
 大使は相手国の文化を知るとともに自国の文化にも造詣が深いことを求められるものだろうと思います。その意味でも傑出した人材を米国は送ったものと言えましょう。作品はどなたの翻訳か判りませんが米国の風土をそのまま知らせてくれていると思います。詩を理解してくれている大使に敬意を表します。



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