きょうはこんな日でした ごまめのはぎしり
kumogakure
「クモガクレ」Calumia godeffroyi カワアナゴ科


2002.9.27(
)

 地下鉄東西線の東陽町まで出張してきました。朝の9時からの会議ということで、5時起きをしてしまいました。私の住む足柄山近辺から都内に通っている人も多いので、慣れれば6時起きでも大丈夫なんでしょうが…。
 会議の担当者には「都内で朝9時からというのはやめてくれ、5時起きしたんだゾ」と言ってやりましたけど「5時起きなんて普通です」と切り返されてしまいました。確かに、小田原7時半の新幹線は満員でしたからね、みんな早起きしてるんだろうな。
 いつもは自家用車通勤で、15分もあれば会社に着く生活ですから、貴重と云えば貴重な体験でした。



詩誌『象』107号
katachi 107
2002.9.25 横浜市港南区  500円
「象」詩人クラブ・篠原あや氏発行

 岬の箒/三上 透

岬の松
私の胃袋の境界と
形を同じくして
生えている

厳冬の北風に
長い年月耐えながら
自然と斜めに育ってしまった姿が
遠目に見える

 胃袋も
 斜めに育って
 箒のような品物まで
 スッポリ収まるようになった
 柄がのど仏につかえるが
 しゃべるのには不自由しない

ちょっと取引先のお客様から
文句を言われると
ひょいと箒を取り出し
サッサッと
掃き清めてしまう

本心ではないのだよと
岬の松を見ながら
考えている後姿
尻にぶら下がっている
チリトリが
海風にパタパタとはためいている

 胃袋の形からそれを箒に喩えて、それで「文句」なぞ「サッサッと/掃き清めてしまう」というおもしろい作品ですね。サラリーマンの哀切が、自然回帰ともとれる「岬の松」とも絡んで、スケールが小さくなることも防いでいると思います。箒とチリトリの対比もそれほど無理がなく、構成上も成功していると云えるんじゃないでしょうか。ストレスに晒される胃袋をうまく扱った作品だと思いました。



機関誌『未知と無知のあいだ』15号
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2002.10.1 東京都調布市 方向感覚出版・遠丸立氏編集 250円

 遠丸立氏の連載評論「アーミッシュは時代遅れか」がおもしろい。アーミッシュとはキリスト教の一宗派のようで、アメリカ・カナダに在住しているようであるが、極端な文明拒否を行っているようだ。テレビ・ラジオは禁止、移動は馬車という生活。学校も独自のものを持ち、高校以上への進学を禁止しているようだ。
 そこに遠丸氏は文明批評の眼を感じて論を展開している。残念なことに3回シリーズで今回が最終回。私は前号から拝見しているから第1回は見ていないことになる。いずれ評論集などでまとまるのではないかと想像している。遠丸立氏の評論はどれもおもしろいが、新たな素材の論なので早く市販されることを望んでいる。



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