きょうはこんな日でした ごまめのはぎしり
kumogakure
「クモガクレ」Calumia godeffroyi カワアナゴ科


2002.10.2(
)

 午後から東京本社に出張して来ました。17時から日本ペンクラブ電子メディア委員会が茅場町の事務所で予定されていましたから、あえてこの日に会議を入れました^_^; でも、なかなか思惑通りにはいかないものですね。委員会は急遽延期、17時までには終るだろうと思っていた会議は延々と延びて、結局20時過ぎまでかかってしまいました。まあ、委員会延期が判ったので、じっくりと会議に臨んだということでもありますが…。
 晩メシをみんなで食べて、最終の新幹線に乗って、結局帰り着いたのが0時過ぎ。シンドイ一日でしたね。会議の結論は中途半端でしたし、スッキリした気分とは言い難いです。そんな日もあるかあ。



小沢千恵氏詩集『君が好きだよ』
kimi ga sukidayo
2002.9.20 東京都千代田区 花神社刊 2300円+税

 あなたに会えて うれしかった

孝冶が生まれた日
夜明けの空はバラ色に染まり
私の心はふるえた
新しく生まれる子がいとおしくて

二人の兄姉の末子として
自分の指定席を心得ていた
家族の中の顔と
大勢の友人たちとの自由奔放な
ロマンチストの顔を使いわけて

六年生の夏の小旅行で
油壷の海を見に
太平洋の荒々しい波が岩にぶち当たり
その時 孝冶は何を考えていたのだろう
いずれ来る日の
海の向こうへの強い憧れを

真面目で人情家
誠実なのに どこか控え目で
不器用な生き方しか出来なくて
孝冶の間抜けな失敗に
だれでも笑って心を許してくれる
得意技は
どこで身につけたのだろう

あなたの我慢強さに
あなたの根気よさに
あなたのやさしい笑顔に
どれだけの人々が
心を和ませたことだろう
自分を飾ることも知らないで

大学時代 私の知らない間に
東南アジアの国々へ
「ピースボート」の活動で
タイの国の子ども達と笑い合い
カンボジアの体験談と
政策の犠牲者の類々とした骸骨の写真
ジャーナリストを夢みていた
いつも絶やさない笑顔は
どこから生まれてきたのだろう

思い返すと
あなたはいつもリュックを背負って
私に手を振って
笑いながら門を出ていく姿
今頃 息子はどこを歩いているのだろう
いつまでも二十九歳で

私に楽しい思い出と
たくさんの「ありがとう」の言葉を
残して

 あとがきに「次男は二〇〇〇年七月に東京・青梅市で勤務中に交通事故で亡くなりました」とあります。他の作品にも出てきますが、相当優秀なご子息だったようです。紹介した作品ではご自分の感情をかなり抑えていることが判りますが、心中を思うと余りあるものを感じます。
 正直なところ、最初、詩集のタイトルを見たときには何と甘いタイトルかと思いました。一連のご子息に関する作品を拝見して、その感覚は誤りであったと今は言えます。子を亡くした親の気持をはっきりと判るまでには至っていませんが、多少は判らせてもらった気でいます、ご子息のご冥福をお祈りいたします。



鬼の会会報『鬼』364号
oni_364
2002.11.1 奈良県奈良市
鬼仙洞盧山・中村光行氏発行 年会費8000円

 七味唐辛子
 七味唐辛子の原料は、山椒・唐辛子・麻の実・白胡麻・黒胡麻・青海苔、それに紫蘇などを用います。ところで、同じ七色の薬味を使っているのに、関東と関西では微妙に味が異なるのを、ご存じない人が多いでしょう。濃い目の料理を好む関東では、辛みに重点を置いたものが歓迎されています。反対に関西では、辛さよりも香りを重視するのです。七味の魅力とは、味・香り・彩りにあります。
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 連載「鬼のしきたり」の中の一文です。唐辛子は七味も一味も好きですから、それなりに気にしてしたのですが、さすがに「関東と関西では微妙に味が異なる」ことまでは知りませんでした。確かに私も「辛みに重点を置い」ていますから、関東派なんでしょうね。
 それにしてもこのシリーズ、鬼はもとより仏教・古典と幅広く書かれていますが、唐辛子にまで及ぶとは畏れ入りました。



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