きょうはこんな日でした ごまめのはぎしり
kumogakure
「クモガクレ」Calumia godeffroyi カワアナゴ科


2002.10.10(
)

 昨年に引き続いて、生命保険会社の小田原支社が主催する「久保田を楽しむ会」に行ってきました。銘酒「久保田」が1000円で楽しめるという結構な会です。もちろん保険会社の宣伝です。私はその保険会社に入っているわけではないのですが、どういう訳か毎回誘われて、毎回参加しています。今回は以前いた職場の若い男を誘って行ってみました。
 案の定、最高位の萬壽は呑む量に制限がありましたけど、碧壽・千壽・紅壽は呑み放題でした。さらに会の最後になると萬壽が余っているというので支社長自らドンドン持ってきてくれたのです。もちろんドンドンいただきましたけど、某保険会社には私の酒好きが広まっているのかな? きっとセールスレディあたりでは噂になっているんだろうなあ^_^; そのお陰で好きなだけ呑めたから文句は言いませんけどね。それにしても、保険に入らないことが分っている私に呑ませてくれる会社って、ほんとうにいい会社です。



詩誌『現代詩神戸』201号
gendaishi kobe 201
2002.9.20 神戸市東灘区 和田英子氏発行
400円

 わが家のホームコタツ/大石玉子

夏はスイッチを切っているけれど
一年中 置いている
私は その上に
国語辞典 漢和辞典 便せん 封とう 切手
筆記用具 ドラエモンの人形を 置いている
夫は
携帯電話 メガネ 虫メガネ 園芸の本
ドライブの雑誌 メモ用紙を 置いている
娘は
演劇の本 ミュージカルのCD 英和辞典
賛美歌集 コンタクトレンズのケースを
置いている

大きめのホームコタツなのに
板いっぱいに 物が置かれている
私は 二人の物を押しのけて
手紙を書いたり 本を読んだり

帰宅した夫は
押しのけられた自分の物を
不満そうに ながめながら
園芸、又はドライブについての雑誌を読む

夜おそく帰った娘は
一人で このコタツを使っているが
多分 私と夫の物を全部
片隅に押しのけているのだろう

三人の人は 三人共 思っている
自分の物は全部 この場所に必要だ
でも あの人の あの物は
ここに置く必要がないのではないか、と

三人共 自分の物は 何一つ のけない
コタツの上は いつも物であふれている

 幸せそうで、ほのぼのとした作品ですね。自分の家族と比較して、ひとりニンマリとしています。それにしても置かれたものでその人の生活が判り、人柄まで判ってしまいそうです。詩を書く上でのヒントをもらった気がします。モノに語らせるということでしょうか。
 「三人共 自分の物は 何一つ のけない」ないけど、それは誰かの物が無くならないという前提にたってのことです。今の幸せをいつまでも大事にしてほしいものだと思いました。



加藤廣行氏詩集Instant Poems
instant poems
2002.5.25 東京都豊島区 国文社刊 2000円+税

 

穂波の上を飛んで行け
生まれたばかりの雫の原で
月のいのちが光っているよ
背中が思い出でぬれているよ
蛍よ
夜がおまえを憶えているよ

 著者は最近、日本詩人クラブの会員になった方で、学校の先生のようです。あとがきにあたる「舌代」には次のように書かれていました。
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<「機会詩」もまたほとんどが学校で生まれた。暑中見舞いや卒業アルバムへのメッセージなど、どれも書き直さないと決めて時間をかけずに書いた。教室で子どもたちと競って書いた濃密な時間、職員室で強いた孤独を忘れることはないだろう。>
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 短編になる理由がよく理解できると思います。全編、5行程度の作品が多く、非常に読みやすいという印象を受けました。紹介した作品はその中の一編です。最後の1行がよく効いていると思います。



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