きょうはこんな日でした ごまめのはぎしり

  kumogakure  
 
 
「クモガクレ」
Calumia godeffroyi
カワアナゴ科

2003.2.20()

 前日の16時35分羽田発のANAに乗って福岡に行ってきました。半年に一度、業務依託会社を訪問することになっていて、その一環です。今回は窓際の席になってしまったので、止む無く外を見ていましたけど、意外におもしろかったですね。雲に向って飛行機が突っ込んでいくとき乱気流の発生が見えましたから、予想したらその通りになりました。ハンググライダーやパラグライダーで遊んでいた頃は、乱気流の発生は死活問題ですから必死に見ていましたけど、それが変なところで役だったような気分です。ハング・パラの高度は1〜3000mほど、ジェット機は1万mほどですけど、高度に関係なく大気の状態把握は同じでした。当り前ですけど^_^;

 前日の夜は久留米で呑んでいたんですが、いい酒にめぐり合いました。焼酎「中々」と云うのですけど、九州の特産のようですね。福岡空港に売っているというので、帰りに探しましたけど、ありませんでした。空港内の酒屋さん全部、と云っても3〜4軒ほどですが、あたりましたけど、どこのお店もシラナイ…。私の聞き間違いだったのかな?
 訪問は無事終えて、帰りは20時40分羽田着のANA。帰宅は23時。やはり九州は遠いですね。




  岩下夏氏詩集『さまよい雀』
  samayoi suzume    
 
 
 
 
2003.2.20
東京都東村山市
書肆青樹社刊
2300円+税
 

    ひとりあやとり

   指をくぐらせる
   手のひらを返したら
   それからつぎに 指を抜いて
   直線に隠された蝶は両手のなか
   できあがる方法を知ってるの

   不器用なまるい指
   けれども 道すじをおぼえているから
   わたしの両手は こしらえる

   ほしがるものを決めてしまえば
   かんたんなことなのよ
   ああして こうして
   ここでひっくりかえせば ほら 畑
   力を抜いたら もう一度指を入れる
   今度はまっすぐな川ができた

   ねえ 心をつかまえる時だって
   おんなじだと思わない?
   ひもで囲われた空白に指を通して
   ひっかかりをすくったら
   力を抜いて
   次にはおもいきり張りつめさせる

   けれども いつになってもわからないの
   できあがったあとは どうしたらいい?

 著者の第一詩集だそうです。まだ
30代の若い女性です。久しぶりに大型新人が現れてたな、という思いをしています。紹介した作品でもそれを感じてもらえると思います。「ねえ 心をつかまえる時だって/おんなじだと思わない?」という強さ。「できあがったあとは どうしたらいい?」という新しい視点。近い将来の活躍を感じさせる作品だと思います。

 「かごめ かごめ」「まるいかたまり」「偉いひと」「大人の仮面」など紹介したい作品が次々と出てきます。機会があったら読んでみるといいでしょう。若さからくる柔軟さと、成熟と言って良い感覚を持っている詩集だと思いました。



  個人詩誌『伏流水通信』6号
  fukuryusui tsushin 6    
 
 
 
 
2003.2.20
横浜市磯子区
うめだけんさく氏 発行
非売品
 

    魔の手    うめだけんさく

   闇を走る
   見えないメツセージ
   知らぬ間に絡めとられる あなた
   そして おれ
   やつらは不特定に撒き散らされるウイルス
   鼠
(マウス)を操る魔の手である

   ○のほしいものが
   もっと○のほしいものにアクセスする
   △△さんですか ××ですが ○の件で
   それは蜘珠の巣と同じように張り巡らされる
   引っ掛かったら最後
   人間としての尊厳も糞もない悲劇がはじまる

 「マウス」とありますからコンピュータのことを書いていると思います。「ウイルス」「アクセスする」「それは蜘珠の巣と同じように張り巡らされる」からはインターネットを想起することができます。でもそれだけではないようです。「人間としての尊厳も糞もない悲劇がはじまる」というフレーズからは住民基本台帳ネットワーク、略して住基ネットを想像すべきでしょう。もちろんそれに限定せずエシュロンなどの軍事ネットワークも考えなければならないでしょう。到来したインターネット社会。でもそこには「知らぬ間に絡めとられる あなた/そして おれ」がいるのです。怖い詩だと思いました。




   back(2月の部屋へ戻る)

   
home