きょうはこんな日でした ごまめのはぎしり

  kumogakure  
 
 
「クモガクレ」
Calumia godeffroyi
カワアナゴ科

2003.4.1()

 4月ですね。私の4月は新しい眼鏡から始まりました。先日、雨の夜に運転していて、見づらいことに気付きました。普通の眼鏡と度付きサングラスを持っていて、それで不便はないんですが、これは雨の夜の運転用に度の強い眼鏡が必要だゾと思った次第です。その眼鏡が今日届いたという次第です。

 私の眼はガチャ眼で、左は0.6、右は0.1を下回るほどです。眼鏡屋さんも苦労したようで、両眼で1.0がやっとという状態だったようです。でも乱視はかなり進んでいたようで、その修正に力を入れたと言っていました。なるほど、視力としてはそれほど強くは感じませんでしたけど、かなり明るく見えます。本当は1.2ぐらいのものを作ってほしかったんですが、これなら実用上問題ないでしょう。早く雨の夜が来ないか待ちわびています^_^;



  個人誌『むくげ通信』15号
  mukuge_tsushin_15    
 
 
 
 
2003.3.1
千葉県香取郡大栄町
飯嶋武太郎氏 発行
非売品
 

    春のかご

   お婆さんのかごの中には
   春が入っている

   かさかさ音立てる
   ナズナの息遣い

   ワッハッハッ と 笑い転げる
   日光の懐かしいまなざし

   昼寝から目覚めた
   風の一陣
   かごの中で
   伸びをする

   お婆さんの膨らむ夢は
   とっくに
   陽炎が立っている

           
チョンヨンチェ
            鄭 鎔 采 詩集『詩の花束を抱いて』より

 待ちに待っていた春がやっと来た、そんな歓びがみなぎっている作品だと思います。「かご」という設定がいいですね。人生の年輪を重ねた「お婆さん」。その手に持つ「かご」に春もしっかりと「入っている」。これが壮年の男やキャーキャー言うだけの若い女性ではサマになりませんね。「お婆さん」だからこそできる、許されることだと思います。作者のしっかりとした観察力を感じました。



  季刊詩と批評誌キジムナー通信18号
  kijimuna tsushin 18    
 
 
 
 
2003.4.5
沖縄県那覇市
孤松庵・宮城松隆氏 発行
100円
 

    錯乱    宮城松隆

   みんなが私ばかりを見つめている
   食事をする時も
   トイレに行く時も
   みんなが私をいじめている
   わざとらしく咳ばらいをしたり
   音を立てて私を脅している
   見つめられる視線が痛い
   音が怖い
   自分が壊れていく
   世界が壊れていく

   毎日 毎時間フラッシュがたかれ
   わたしを撮っている
   写真ばかり撮られ
   世界中にばらまいている
   ほら あの音
   わたしへの合図なんだ
   意識が混沌として
   撹乱されて
   わたしは自分が何者かさえ知らされていない

   科学が発達して
   わたしの秘密まで
   全て写真に撮られている
   ほら フラッシュが光る
   また 秘密がひとつ撮られた
   科学がわたしの秘密を
   ひとつ ひとつ盗っていく
   悪いことをした訳でもないのに
   世界中にわたしの
   写真をばらまいている

   もつれた意識は
   解くことさえできず
   わたしは秘密の
   ひとつさえ持てない
   自壊作用がすすみ
   世界は像を結ぶこともなく
   うわごとでもなく
   たわごとでもなく
   わたしはただ虚を見つめている

 精神に変調をきたした人の「錯乱」を表現しているように見えますが、実は違うと思います。「科学がわたしの秘密を/ひとつ ひとつ盗っていく」というフレーズに注目して解釈していくと、住民基本台帳ネットワークの危険性や個人情報保護法案のごまかしを表現していると思うのですが、いかがでしょうか。本当に「うわごとでもなく/たわごとでもなく/わたしはただ虚を見つめている」しかない状態になるのかもしれません。「怖い」ことを書いている作品だと思います。





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