きょうはこんな日でした ごまめのはぎしり

  kumogakure  
 
 
「クモガクレ」
Calumia godeffroyi
カワアナゴ科

2003.4.5()

 日本詩人クラブの作品研究会が神楽坂エミールで開催されました。参加者は10名、提出作品は5編とちょっと少なかったものの、その分しっかりと勉強できました。1編あたりの時間をいつもの倍ほど遣いましたからね。で、出席者の皆さんとも話していたんですが、ずいぶんと巧くなりました。講師でもない私が言うのも変なんですけど、本当にそう思います。正直なところ、1年前の始めた頃はどうなるものかと思っていましたから…。これは講師のお二人もそう言っていますので間違いないと思います。

  030405

 写真は会場風景。早く終ったので早く呑みに行きました^_^; 勉強も大事だけどリラックスも大事。私は二次会まで行ってリラックスし過ぎだったかな? でも、打ち解けて話ができて、いい夜でした。



  情報誌『沼津味処』2003年版
  numazu ajidokoro 2003    
 
 
 
 
2003.1.1
静岡県沼津市
日本味の会・望月良夫氏 発行
非売品
 

 日本ペンクラブでご一緒している沼津のお医者さんよりいただきました。縦10.5cm、横7.5cmほどの小さな本です。画面はほぼ等寸代、約9割というところでしょうか。でも中身は濃いですよ。実際に著者が歩いたお店40軒が網羅されています。値段、味、サービス、家族向けか、接待に適するかなど実に丁寧に解説されています。私も何度か行った店としては「双葉寿司」「たか嶋」「鳥っ子」などがあり、解説された内容は納得できるものばかりです。

 個人の出版とはいえ、こんなエンマ帖≠ェあると、お店としては怖いでしょうね。そのせいかな? 沼津でハズシタことはあまりありません。客のためにもお店のためにも、強いては地域の向上には必要なことだと思います。マスコミで紹介されるのではなく、まったくのミニコミですから、そこにも価値があると言えるでしょうね。



  神尾達夫氏詩集棺桶が空をとぶ
  kanoke ga sora wo tobu    
 
 
 
 
2003.4.10
東京都東村山市
書肆青樹社刊
2400円+税
 

    棺桶が空をとぶ

   雪の朝
   南の方角へ 枢がとんだ
   五日市駅北口 窓山颪が
   街路樹を揺らしている
   駅前デパートの休憩室
   ユニクロ着衣の老夫婦二人
   会話のないコーヒーを飲んでいる
   人のまばらな館内へ
   テレビジョンが
   棒読みの国会答弁を流して
   窓の外は 重い景色
   ゆるやかにおりてくる
   目の荒いフィルターに
   ブラック マリンスノーのようなものが
   うようよ 増殖絡まって
   雪雲の向こうで
   枢が翔んだ

   五月の次の日に跨がって過ぎていく
   病室のモニターへ
   鼓動していた 小さなひとだまが
   つぅーっと 線びきして
   窓の隙間から 暗い空ヘ
   母が 天に召されていく
   あすは 身内が駆けつけ知人の集まる
   賑わいに 喪服の風景がからみ
   能面や 仮面や 素面の人たち の
   儀式が始まる
   その日
   野辺の煙が かげろうのようにくずれると
   真新しい枢が 空ヘ消えていった

   俺の棺桶はどこか
   昭和二十年五月二十日
   鹿屋海軍航空基地
   古びたトラックから とび降りてきた若者が
   零式艦上戦闘機二一型ヘ 乗り込む
   若い生命を封じ込め
   沖縄の空ヘ
   十一機の棺桶が 飛ぶ

   弾幕を避け 目標が定まる
   目を見開き フットバーを踏んばる
   全神経を操縦棹ヘ託す
   スロットルレバーを 前に押しやって
   ワッ と 目標が迫る
   堪えきれない鈍痛が破れ
   鉄片や 五体の肉片が飛び散る

   今も 故郷の空を
   野辺の送りの なかった
   枢が
   とんでいる

 詩集のタイトルポエムです。すごいタイトルでしたので、どういう作品かと思いましたが、拝見して納得しました。母上の「真新しい枢が 空ヘ消えていった」ことと、特攻隊の「鉄片や 五体の肉片が飛び散る」様を重ねた痛ましい作品でした。著者は戦時中「鹿屋海軍航空基地」で「零式艦上戦闘機」の整備をしていて、「若い生命を封じ込め/沖縄の空ヘ/十一機の棺桶が 飛ぶ」のを見送ったと福谷昭二氏の跋にありました。その記憶が、おそらく最近亡くしたであろう母上のご逝去と重なり、これからも消えることはないのだろうと思います。

 詩集はそれら戦争体験を書いた「U.棺桶が空をとぶ」を中心に、主に地域の風俗を描いた「T.深海物語」、最近の日常生活を書いた「V.緑色の瓶」という構成になっています。80歳の声を聞こうとする年齢での第一詩集ですが、広島の『火皿』の同人として長く活躍していたようです。ですから、第一詩集とは思えない力量を感じるのは当然かもしれません。今後のご活躍も期待したいと思います。





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