きょうはこんな日でした ごまめのはぎしり

  kumogakure  
 
 
「クモガクレ」
Calumia godeffroyi
カワアナゴ科

2003.7.18(金)

 職場の歓送迎会が小田原のイタ飯屋でありました。1ヵ月ほど前に退職した私の部下も来てくれて感激しました。嫌な思いで退職した人は絶対来ませんからね。席も隣になって、その後の様子などを聴きましたけど、元気でやっているそうです。そうそう、昨夜の定年退職祝賀会では自重して呑みませんでしたから、今日は心往くまで呑みましたよ。呑み会も、いつもこんな調子ならいいんですけどね。



  月刊詩誌『柵』200号
    saku 200    
 
 
 
 
2003.7.20
大阪府豊能郡能勢町
詩画工房・志賀英夫氏 発行
800円
 

    時代    肌勢とみ子

   たとえば弥生時代
   そのころ本当にそんな名前の時代かあったの
   戦国時代には国中で戦があった
   ではいったい誰が国中を見て回ったの
   ゾンビでもない限り敗者復活は無理だから
   最強の勝利者チームの子孫てわけ?
   わたしたちって
   とかく人は
   過ぎ去った時代を名付けて語りたがる

   わたしにだって
   かつて娘時代があった。
   それは それは
   若かった!

 今号は200号記念号。17年近く月刊を貫いた志賀英夫氏のご努力にまず敬意を表したいと思います。巻末には「バックナンバーの目次」として150号から199号の全目次を掲載。これも資料調査の上では価値が高いと思います。

 紹介した作品は記念号を意識したかどうかは判りませんが、おもしろい視点で「時代」を見ていると思います。最終連が強烈で、印象深いですね。でも若いことが全てではないとも思います。そんなことは作者はとっくにご存知で書いているんでしょうが、経験が増えないと見えないものが多い。第1連など、まさに「娘時代」を通り越さないと書けない部分と言えるでしょうね。



  アンソロジー反戦アンデパンダン詩集
    poems against the war    
 
 
 
反戦詩集編集委員会編
2003.7.15
東京都文京区
創風社刊
2400円+税
 

    その的は?  木島 始

   どこを狙うのだ
   きみの武器は?
   その核兵器は?
   地球はもうはや狭いのに

     ワタクシノ テノヒラニ
     シラミガ イッピキ
     ヒネリツブスカ ドウスルカ
     ダレニモ グレヒトリ
     シラセナクテイイノダ

   なにができるのだ
   きみの武器は?
   その核兵器は?
   全滅 脅しかけるだけ

     トオクカラ カナシバリ
     ブキミナ アミノメ
     ニゲダスノニハ ドウスルカ
     ドコニモ ダレヒトリ
     ワカルヒトイナイノダ

   だれに当たるのだ
   きみの武器は?
   その核兵器は?
   人類みんな親類なのに

 実はこの詩集への参加を私も求められました。米英への不快感、歴史が変る変換点になるだろうイラク戦争への危機感は今でも持っているつもりでいます。いろいろ迷った挙句に、結局は参加しませんでした。詩作品として質を高められる自信が無かったのです。参加することに意義があるんだという意見もありましょう。それも否定しませんし、参加した300名近い詩人たちへは敬意さえ持っています。今後も米英の動き、日本の追随には注意を払っていきます。しかし、それと自分が詩作品として納得できるものが出来るかどうかは別だと思います。今までも反戦詩らしきものは書いてきました。それらは求められたものではなく、全て自発的に書いたものばかりです。ですから、そういう意味では時期を逸しているかもしれません。でも、私の中ではいつまでも心に残る作品ばかりです。今回の求めに対しては、そこまで納得して書く時間が無かったと自分で解釈しています。

 紹介した詩は編集委員のお一人である木島さんの作品です。ここまで詩作品として高めなければならないと思う見本のような作品です。特に第2連の「ヒネリツブスカ ドウスルカ/ダレニモ グレヒトリ/シラセナクテイイノダ」というフレーズには戦慄さえ覚えました。大きな視点と小さな視点、この対比の見事さにも圧倒されます。おそらく、反戦について常日頃から考えていないと、こういう作品は出てこないのではないでしょうか。私自身の、殻を破れない小ささを諌めてくれている作品でもあると思いました。




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