きょうはこんな日でした ごまめのはぎしり

  kumogakure  
 
 
「クモガクレ」
Calumia godeffroyi
カワアナゴ科

2003.8.21(木)

 午後から日本橋に出張しました。相手の会社から求められていた改良に対するデータを持って行きました。私としては自信のあるデータですから何の心配もしていませんでした。案の定、相手も納得してくれてメデタシ、メデタシ。お祝いの懇親会まで開いてもらって恐縮しました。私の日本酒好きはとっくに知られているようで、盛んに勧められましたので遠慮なくいただきました(^^;;; 仕事で呑むというのは本当は好きじゃないんですけど、それでも仕事がうまくいっているときは旨いですね。いつもそうだといいんだけど、それはアマイだろうなぁ。



  個人詩誌『粋青』34号
    suisei 34    
 
 
 
 
2003.8
大阪府岸和田市
後山光行氏 発行
非売品
 

    貧しい人間だから    後山光行

   例えば
   エアポートラウンジに
   無料でわずかな時間を過したり
   出版社の宣伝用月刊雑誌や
   企業の顧客向け雑誌
   などなど
   すこしの条件があるものの
   どれも無償で
   入手できるものだ
   その無償がうれしい
   貧しい心のどこか一部分が
   うるおってくる気がするのだ
   旅先であったりすると
   さらに気持ちは開放され
   豊かな時を過ごすことになる
   うれしさに素直な心がのぞいたりするから
   貧しい心が満たされた気がするのだ

 連載の「伴勇の我楽多ノート」は相変わらずおもしろいですね。伴さんは「詩商」と呼ばれていたんですが、その一端が窺えます。大阪の書店に同人誌や詩集を持ち込んで、委託販売をやっていたんですね。もうそんな人はいないな。

 紹介した作品は手書き原稿のコピーで載せられていましたが、気に入って入力してみました。いつもはスキャナーで撮り込むんですが、さすがに手書きは無理ですからね。貧しい、貧しいと何度も出てきますけど、本当は精神的な豊かさがあると思います。「うれしさに素直な心がのぞいたりする」のが豊かさの証明だと思います。そういうことにようやく気が付いたのトシのせいかもしれません。



  詩誌『燦α』別冊
    san alpha bessatsu    
 
 
 
ユース詩集 つきのあかり
2003.6.16
埼玉県さいたま市
燦詩文会・二瓶 徹氏 発行
非売品
 

    再生

   わたしを使い果たし
   わたしを空っぽにして
   わたしは消えていくけれど

   それでも
   何度でも

   わたしは形づくられ
   わたしは満たされていき

   そして

   わたしは再生する

 ペンネームがユースという方の単独詩集になっていました。50編の作品が収められています。拝読すると、かなりお若い方ではないかなと感じました。紹介した作品にもそれは表れていると思います。私ぐらいのトシになると「再生」なんか考えませんからね、現状維持が精一杯です。そうか、こうやって若い人は「再生」を考えるのかと妙に感心した作品です。



  詩誌『燦α』詞華集 VOL.3
    san alpha anthology 3    
 
 
 
 
2003.7.1
埼玉県さいたま市
燦詩文会・二瓶 徹氏 発行
500円
 

    うらやまし傘    空野あや

   内側に広がる
   包みこむように
   直径約1メートル

   そこだけ晴れなんて
   考えてみれば少し奇妙だけれど

   自分の時間をもつ
   あの女の子は
   雨ふりの日に
   あおぞらをさす

 この発想はユニークですね。そして、よく判る。「自分の時間をもつ/あの女の子」というフレーズが効いていて、ここが詩を解き明かす鍵になっていて、構成もうまいと思います。本当に「うらやまし傘」です。こういう発想で、おもしろい視点の作品をどんどん見せてほしいですね。




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