きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】
1990.5.6 | ||
長野・五竜とおみ上空 | ||
2004.1.1(木)
新年おめでとうございます。昨年は詩書をたくさん送っていただいてありがとうございました。本年も勉強させていただきますので、よろしくお願いいたします。
正月休みは暮からずっといただいた本を読んで過しました。今日は実家に1時間ほど帰って、外出したのはそれだけ。あとはずっと本を読んでいました。充実した1日です。
ちょっと余裕が出てきましたので、日記の頁の絵を変えてみました。かつて飛んでいたことを思い出して、当時の写真を引っ張り出してみました。上の写真がそれです。このときは高度1000m近くまで上昇して、雲のすぐ下まで行ったことを思い出しました。北アルプスの山々を見ながらのフライトは爽快でした。まあ、言ってみれば過去の成功体験に固執しているということですかね。
それにしても今はもうそんな体力は無いなぁ。書斎に籠って余生を過します(^^;
○隔月刊詩誌『石の森』119号 |
2004.1.1 | ||||
大阪府交野市 | ||||
交野が原ポエムKの会・金堀則夫氏 発行 | ||||
非売品 | ||||
胎内幻想 四方彩瑛
旅館というものに泊まったことがないくせに
どこかの旅館の廊下を
ひたすら歩いている夢を
かつてはよくみた
灯火も窓もなく
等間隔にある白い襖だけが浮かび上がり
そこを開けてみると
静かな声の小姓が
ここはあなたの部屋でない、と言う
隣の襖もためしてみると
また似たような小姓が出てきて
ここもあなたの部屋でない、と言う
天井は高く
蜂の巣のような燈籠がぶら下がっているのに
やはり灯がともっていない
襖の向こう側から人気はなく
廊下が闇に向かってのびていき
歩いていくうちに
襖が消えては現れる
押し入れの中のような匂いがし
ひたすら歩いていた
もう今はそんな夢もみなくなった
記憶は
本人すら預かり知らぬところへ戻っていく
抜け出した、のではなく
よだ廊下は続いているのにみえなくなっていく
早くあの旅館へ帰りたい
「旅館」と「胎内」がリンクしたおもしろい作品だと思います。「旅館というものに泊まったことがない」という設定も、事実かどうかは関係なく、作品としては奏功していると云えるでしょう。この前提があるから「胎内」が生きてくるのであり「早くあの旅館へ帰りたい」という最終行も効いてくるのだと思います。
同じ作者による『疑惑』という、母が「私の体を探索する」疑惑は自分で作り出したものだとする作品がありますが、母、あるいは女性性という観点から見る必要があるかもしれませんね。気になる作品です。
(1月の部屋へ戻る)